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スペースシャトル引退以降途絶えているアメリカの有人打ち上げ。今年スペースXのクルードラゴンという有人宇宙船の打ち上げが計画されているのですが、地上で行われた試験で脱出用スラスターに異常が発生したとしています。

アメリカの宇宙ニュースサイト『SpaceNews』によると、スペースXが開発している有人宇宙船『クルードラゴン』に関して現地時間20日に実施された緊急脱出用のスラスター『スーパードラコ(SuperDraco)』に何らかの故障が生じ爆発するという事故があったと伝えています。

SpaceX Crew Dragon spacecraft suffers anomaly during ground tests - SpaceNews.com

記事によると、爆発はNASAとスペースXそれぞれのチームがフロリダ州にあるスペースXのランディングゾーン1に集まりクルードラゴンを地上に固定しドランゴ スーパードラコ スラティックファイアテストとして燃焼試験を複数回実施していた際に発生したとしています。
また燃焼試験はこの試験では複数回実施しており、最後の燃焼試験でトラブルが発生したとも報じています。


こちらが爆発の様子を撮影したとされる映像です。仮に本物の映像だとした上で映像を見る限りでは側面から爆発している様子が確認できます。この威力では宇宙船本体に深刻なダメージを与えている可能性が考えられる他、あまりにも相当衝撃的な爆発になっているため今後の打ち上げには影響がでるものと考えられます。

爆発したというスーパードラコはクルードラゴンの打ち上げの際にロケット本体にトラブルが生じるなどし正常に打ち上げが実施できない場合、直ちにロケットから宇宙飛行士を載せたクルードラゴンを切り離し離脱するロケットモーターです。
クルードラゴンには1基あたり2つのロケットが搭載され合計4基(エンジンは合計8基)搭載され姿勢制御が行われます。推力は1ペアあたり71,000ニュートン(16,000 ポンド)で燃焼時間は最大で25秒。燃料は1,388kg搭載されています。


▼1ペアのスーパードラコ。燃料はヒドラジン、酸化剤は四酸化二窒素。この2つを混ぜるだけで爆発的な燃焼がはじまるため宇宙では広く用いられています。
スペースX スーパードラコ

▼2015年に実施された緊急脱出試験。燃焼しているものがスーパードラコ

従来この手の緊急脱出装置は宇宙船の先端に接続する形で搭載され打ち上げの際には切り離され処分されていたのですがスペースXのクルードラゴンでは宇宙船本体の側面に内蔵する形になりました。これは緊急時にのみ運用することになっており、結果的に緊急措置装置を再利用できるため宇宙船の打ち上げコストを下げるという設計になっています。

SpaceNewsによると事故を発生させた宇宙船はどのようなものだったのかスペースXは明らかにしていないとしており、情報筋によると今年3月に国際宇宙ステーションに実際に打ち上げれ5日間ドッキングしたミッション『Demo-1』で使用した宇宙船が使用されたとしています。

スペースXとしては今年夏にファルコン9ロケットに搭載し大気圏内で動圧が最大になる点『最大動圧点』いわゆるマックスQ時にクルードラゴンを切り離し脱出テストの実施、合わせて当該機の再打ち上げを予定していたものの延期することはほぼ確実と考えられます。また今年には初の有人宇宙打ち上げが実施が予定されていたもののこちらも延期の可能性が指摘されています。

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