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警察は110番、消防は119番では118番は何でしょう?ほとんど認知されていないのですが、これから夏にかけ多くなる海で事故が発生した場合の通報先です。118番は海上保安庁が2000年以降に導入したものなのですが、運用開始から現在までかかってきた電話のほぼ全てが無効なものとなっていると報じられています。

 海の事件事故を通報する「118番」。2018年に寄せられた約43万件の通報のうち、約99%が間違いやいたずらなどだった。118番は海上保安庁が00年に導入以来、無効通報の多さに悩まされ続けてきた。連休中や夏場は海の事故も増える。海保は適切な利用を呼びかけている。

 18年に118番通報は43万4799件あったが、海難、人身事故や情報提供は1・2%の5028件だけ。無言、すぐに電話が切れる即断、間違い、いたずらの各無効電話が98・8%を占め、42万9771件にのぼった。通報件数が約901万件(17年)の110番や約844万件(同)の119番では、無効電話はいずれも2割程度。118番の異様さが際立つ。

朝日新聞
交通事故や火事、また急病など身近でも発生しうる事態の通報先として警察(110番)、消防(119番)は浸透しているものの、そもそも海がない県、普段海にには行かないという人からすると海で発生した事故の通報先である118番は全く知らないという方が大半だと思います。

命を守る通報先ではあるものの実際にかかってくる国民からの通報のほとんどは無効、つまり間違い電話や別の目的でかけてしまったものだといいます。記事によると、昨年の統計で2018年には43万4799件の通報が寄せられたものの、実際に救助が必要な有効通報は1.2%、5028件だったといいます。つまり残りの98.8%はすべて間違い電話でした。

118番については2015年にも同様の記事を紹介しており、当時の記事として、2000年5月の導入から2014年末の時点で118番通報は9,438,320件という膨大な量がかかってきたものの、間違い電話が9,360,634回。正しい通報は全体のわずか0.8%に留まっていると報じていました。以降PR活動などを展開してきたものの現在も改善は全く確認できていません。

記事によると、事件や救助で巡視船艇とやりとりをしている間も通報があれば通報の方を優先しなければならないとしており、1日あたり平均で100件以上かかってくるほぼすべてが無効の電話が理由で業務に支障をきたしているといいます。


それならば118番は廃止し110番や119番に統合する形で海の事故は警察や消防と共同で運用すれば良いと思ってしまいます。また私達一般人からすると海で溺れている人を目撃した場合、119番なのか118番なのかがそもそもわかりにくく、海は118番だとしても川は118番で川の河口付近での事故はいったいどちらに通報しないといけないのか混乱も生じてしまいます。

いずれにしても1%の有効通報のために普段の業務に支障をきたしていることを考えると、国民どころから現場も全く支持されていない通報先であることはほぼ間違いないと考えられます。