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北朝鮮が先月4日に発射した飛翔体に関して、韓国政府は発射された飛翔体が弾道ミサイルか否か判断できておらず分析中だという反応を示していると報じられています。

韓国メディア『ニューシス』によると、先月4日北朝鮮が発射したいくつかの多連装ロケット砲と加えて新型戦術誘導兵器とする飛翔体が発射された件について、新型戦術誘導兵器については韓国軍当局が未だにミサイルの実態については分析中だという立場を固持しているなどと伝えています。

北 단거리 미사일 발사한 지 한 달…軍, 여전히 "분석 중" :: 공감언론 뉴시스통신사 ::

記事によると、北朝鮮が発射した短距離ミサイルが弾道ミサイルに含まれるのかについては「米韓軍当局が精密に分析している」と述べたとしています。

先月北朝鮮により発射されたミサイルは4日、9日です。4日に発射された新型戦術誘導兵器が未だにどのような兵器なのかよくわかっておらず、当局も判断できていないといいます。具体的に軍当局はどのような判断を現時点でしているのでしょうか。

記事によると、現時点で4日に発射された新型戦術誘導兵器は『短距離ミサイル』としており第18回アジア安全保障会議で行われた記者会見では「短距離ミサイルと表現で問題はない」などと回答していました。また軍消息筋によると4日と9日に発射された飛翔体は発射した車輌が車輪と無限軌道の差はあったものの運用されたミサイルは飛行特性からもほぼ同じと分析しているとのことです。

▼5月4日に発射した飛翔体
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▼5月9日に発射した飛翔体
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そもそもこの飛翔体が『弾道ミサイル』ではない可能性はあるのでしょうか。これはあくまでも素人判断ながら間違いなく弾道ミサイルと言い切れます。そもそもこの兵器はベースとなったロシアが開発した9K720 イスカンデルで間違いなく、ロシアでは短距離弾道ミサイルとして配備しているほか、韓国がロシアから機密を盗み配備している玄武-2(ヒョンム)も短距離弾道ミサイルとしています。したがってこれらファミリーに関して北朝鮮のものだけが短距離ミサイルなどと非弾道ミサイルと主張するには相当な無理があります。

▼韓国、北朝鮮そして本国のイスカンデル
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ではこの相当な無理は一体どこから来ているのでしょうか。韓国やアメリカが未だに弾道ミサイルという表現を避け続けているのかについては明らかに政治的な理由があると考えられます。仮にこのミサイルが『弾道ミサイル』であれば紛れもなく国連の制裁決議に違反しているものであり、今後さらに締付けが強くなることが考えられます。
従って親北政権の文在寅政権としてはさらなる締め付け強化は望んでおらず、アメリカとしても大々的に行われた米朝首脳会談が無意味なことにことを避けたい思惑があり、双方が北朝鮮ではなく国内の政治的、自身の思想、そして自身の評価を落とさないように周囲の人間が忖度させている結果と考えられます。