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繊細なジェットエンジンを搭載した現在の航空機は舗装された滑走路でしか離着陸ができないと思ってしまいますが、実は必ずしもそうではなく先日アメリカでA-10という攻撃機を使用した未舗装滑走路での着陸試験が実施されたと報じられています。

今月6日、リフォルニア州フォートアーウィンにある国立訓練センターで着陸試験が行われたのは30mm機関砲を搭載していることで有名なA-10という攻撃機です。なんと着陸したのは一切舗装されていない砂塵が発生する荒れ地のような滑走路です。

These Photos Show A-10 Attack Aircraft During Austere Landings on The Freedom Landing Strip, Fort Irwin, California – The Aviationist

記事によると、今回試験が実施されたのはアイダホ航空国防軍の第190戦闘隊に所属するA-10で、このような訓練が行われるのは舗装された滑走路に着陸できなかった場合や最前線では必ずしも整備された滑走路での運用ができない可能性があるためという理由です。
従って極めて実戦に近い訓練になっているらしく定期的に実施されているものだといいます。また写真の機体が武装が施されているのもそのような前線での運用を想定したものだといいます。

エンジンに砂塵が入らないのかという疑問があるのですが、A-10に関して通常の戦闘機とは異なりターボファンエンジンが機体上部に搭載されており離着陸で砂塵が吸い込まれるFOD(Foreign Object Damage)という問題はほとんど発生しないといいます。

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実は、このような未舗装の滑走路で運用可能な戦闘機タイプは西側ではA-10が唯一行えるらしく非常に珍しい機体とのことです。

このような特殊離着陸が可能な固定翼機としてはもう一つ輸送機が知られています。
▼A400M
A400M_1

▼C-17

このように大型の輸送機も未舗装の滑走路に着陸が可能な仕様になっています。理由はA-10と同じで前線が目的ということになりそうです。