敦煌100MW溶融塩タワー型太陽熱発電所_1

太陽光ではなく太陽の熱を集め発電する太陽熱発電所が世界各地で建設されていますが、ゴビ砂漠に位置する中国甘粛省に建設された太陽熱発電所が先日フル稼働に成功したと報じられています。

甘粛省敦煌市内にある中国初の「スーパーミラー発電所」、敦煌100MW溶融塩タワー型太陽熱発電所が17日未明、フル稼働の発電を実現した。同時に夏季の昼夜連続発電量が180万kWhを突破した。各種指標が設計上の数値に達するかそれを上回った。中国新聞網が伝えた。

Record China
発電の過程で二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーは太陽光・風力・水力などいくつかありますが、今回報じられた太陽熱発電所は巨大な鏡で光を一点に集めその熱で発電を行うという発電所です。

記事によると敦煌100MW溶融塩タワー型太陽熱発電所は北京首航艾啓威節能技術股フン有限公司が30億元(約480億円)を投資し建設したものです。この日、発電に適した晴れ間が広がり発電所としては初のフル稼働試験を実施。実に12,000枚のヘリオスタットと呼ばれる反射鏡をコンピュータ制御し光を集め出力が設計の上限を超える180万kWhを記録したとしています。

敦煌100MW溶融塩タワー型太陽熱発電所_2

敦煌100MW溶融塩タワー型太陽熱発電所は文字通り反射鏡の中心に光を集めるタワーが立っており、その高さは260m。タワー型としては世界一の高さだといいます。太陽熱発電所の最大の特徴はソーラーパネルでおなじみの太陽光発電とは異なり夜間も安定した電力供給ができる特徴があり、日中晴れていれば例え夜間や曇った場合でも11時間あまり発電を維持することができます。

設計によると年間3億9000万kWhの電力を生産するとしており、これにより二酸化炭素排出量を35万トン削減します。同規模の石炭火力発電と比較し石炭を13万トン削減することが可能だとしています。建設されたエリアは非常に乾燥した大地が広がっており中国のサイトによると反射鏡を大量に設置することで地面に太陽光が直接晒されることが少なくなるため砂漠の蒸発量を減らすことで10000ムーの植林に相当しているとも表現しています。

中国ではこの手の太陽熱発電所を始め、風力発電や太陽光発電などに力を入れている国の一つとして知られています。