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先月、韓国のハンビッ原子力発電所で原子炉の熱出力が制限値を超えた急上昇をした事件に関して特別調査を行った結果、制御棒の計算ミスをした挙げ句無資格の人間が無指示で制御棒操作を行い、その後の調査でも虚偽の説明を行うなどずさんすぎる運転を行っていたことが明らかになりました。

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韓国メディア『ニュース1』などによると、2019年5月10日北西部に位置するハンビッ原子力発電所で熱出力が原子炉の限界を超えるという事故が発生し韓国政府による特別調査が実施されていた件について調査結果を報じています。

한빛 1호기 사건은 인재…"계산오류·조작 미숙 확인"(종합) | 연합뉴스

記事によると、これは原子力安全委員会と韓国原子力安全技術院が24日に行われた特別調査の中間報告で、今回の事故についてはハンビッ原子力発電所1号機で原子炉の出力を制御する制御棒の試験中に熱出力が急激に増加したことを認めました。

同原発は原子炉熱出力制限値が5%となっているものの、一連の不手際でごく短時間で18%まで急上昇。これは制限値を明らかに超えた数値でありマニュアルでは即時停止する措置が定められているものの無視し緊急停止していませんでした。

何故問題が発生したのか。翻訳上の誤りがある可能性があるのですが当時試験は前日の9日より行われており、制御棒の制御機能測定法をこれまで14年間行ってきた「動的制御棒制御機能測定法」(DCRM)で行ったもののこれに失敗。そこでホウ素希釈という別の測定方法に変更し反応計算を行ったうえで制御棒の操作を行っていたといいます。また制御棒の試験中にこの制御棒を操作するグループの間でばらつきが生じていたといい、これを解消するため制御棒を引き抜いたところ原発が熱暴走したということになります。
(詳しい時系列は『韓国の原発事故『熱出力暴騰』、無資格の人間が制御棒操作』で紹介しています)

いったいどこに問題があったのでしょうか。記事を読む限り全てに問題があったことが伺えます。
まず制御棒の制御機能測定法をホウ素希釈という別の方法に切り替えたことに関しては、反応を計算した原子炉次長は関連教育を一切受けておらず当時初めて計算を行っていたことも明らかになりました。記載はされていないものの、結果的に現場にいた誰もが計算の誤りそのことに気づくことはなかったと考えられます。

また原子炉制御棒の操作するグループとの間のでばらつきが生じていた問題については、そもそもこの制御棒の操作を行っていたのは無資格の人間であり運転操作も熟練不足だったとしています。正しい操作では2回連続の操作が必要なものの別のグループでは1回だけしか行っておらず誤差が生じていたとのこと。加えて制御棒の操作は原子炉操縦監督特許権者の指示の下で操作を行わなければならないもののその人物がいなかったとしています。当時、制御棒の固着現象が発生していたもののこれは機械的なトラブルと考えられています。

その結果どうなったのか。原子炉では本来は1時間ごとに最大でも熱出力が3%ずつ増えていくもののこの時は1分あまりに18%まで急上昇。この場合、マニュアルでは緊急停止の措置をとならなければならないものの従来の手動停止を実施しました。報告を受け原子力安全技術院調査団が現場に派遣されたことで最終的に正しい緊急停止措置が行われたのは事故発生から12時間近い時間が経ってからでした。

現場では緊急停止の操作が行われなかったのか。別の記事によると、熱出力測定値が2つあるらしく当時1つは制限値を超えていなかったなどと説明されていたものの、実際は両方の測定値が超過していたことも明らかになり虚偽の説明を行っていた可能性があります。
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