クイーン・エリザベス級空母

イギリス海軍が保有する現在唯一の空母クイーン・エリザベス級1番艦に関して艦内で水漏れの事故が発生したとして、予定されていた試験後悔を中断しポーツマス海軍基地に帰港したと報じられています。

中国共産党機関紙、人民日報によると今月10日に報じられた内容としてイギリス最大の空母で現在1隻のみ配備しているクイーン・エリザベス級空母1番艦『クイーン・エリザベス』について、何らかの水漏れ事故が発生し艦内が浸水したと報じています。

英国新航母又漏水了 200吨海水涌入舰员险些溺亡_军事_环球网

クイーン・エリザベスは今週末にポーツマス海軍基地に帰港する予定だったとしており、今回の事故を受けて予定を切り上げ基地に帰港したとのこと。イギリス防衛省は「艦船内のシステムに問題が生じた」とのみ発表しており、具体的な事故の状況などは発表されていません。

記事によると非公式の情報筋の発表として水漏れは艦内の消火設備であるスプリンクラーの系統で発生したとしており、配管が破裂した可能性がありこれにより8つの居住区などで影響が出ていたとしています。また一部区画では高さが腰まで浸水したとしており、隔壁やハッチ損傷しているとも報じています。
その上で「イギリス海軍の公式声明では一部が浸水した程度という表現が用いられているものの実際はかなり深刻な浸水となっている」とも主張しています。イギリス海軍の発表によると事故が発生したのは7月9日より以前で9日に海上訓練を中断し海軍基地に戻ったとしています。漏れ出た水については海軍基地に戻ってから取り除かれたと説明しています。

The Forces Newsによると、事故は高圧パイプが破裂したことで最大で200トンの海水が艦内に流れ込んだとし、これにより3人の乗組員が危険な状態に晒されたとし、大量の海水により隔壁が押しつぶされ変形したとも報じています。

クイーン・エリザベスでは2018年1月にも消化システムの故障により漏水事故が発生していたといい、この問題はソフトウェアのトラブルで格納庫内の全スプリンクラーが作動し続けたとしています。

クイーン・エリザベス級空母_1

クイーン・エリザベスは全長284m、短距離・垂直離着陸型であるF-35Bを最大30機搭載することができる空母で出航時は最大で1,600人が搭乗するイギリス海軍史上最大の艦艇です。動力は原子力ではなく通常動力を搭載しアメリカの空母のようなカタパルトを搭載する方向で建造されたもののその後計画が変更されており非搭載となり事実上アメリカ海兵隊の強襲揚陸艦を更に大型化したような船体になっています。