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韓国では昨年2月に延命医療決定法が施行され自然な死を迎えるいわゆる尊厳死を自ら、もしくは家族が選択することができるようになりました。いくつか条件や制限があるのですが施行から1年以上が経った現在その結果が明らかになりました。

韓国メディア連合ニュースによると、延命医療決定法が施行された2018年2月5日から今年の2月5日の1年間でソウル大学病院における延命医療決定書を作成したあと死亡した19歳以上の成人809人を調査した結果が同大学の緩和ケア臨床倫理センターから発表されました。

연명의료결정법 시행 1년 …'환자 스스로 결정' 29배 증가 | 연합뉴스

延命医療決定法とは不治の状態に陥った場合、つまり今後治療しても回復の見込みがほぼゼロの末期の状態でかつ心肺蘇生、人工呼吸器の装着、人工透析、抗がん剤の投与の4つに対し、現在の治療を中止するかそれとも診断された結果治療はせずそのまま死を迎えるか、自身の意思を示す『延命治療計画書』を提出したうえで行われるというものです。
これは患者が19歳以上でかつ医師との相談を経たうえで倫理委員会が設置された大病院で認めれた場合にのみ初めて医療行為を拒否した自然死、いわゆる尊厳死を選ぶことができます。また本人以外も病院の家族の2人以上が同意すると認められるものになっており、いずれの場合も延命治療を受けないとする『意思』を示す延命治療計画書を予め作成する必要があります。

その結果としてソウル大学病院によると、末期と診断され患者自身が意思を示し延命医療の決定書を作成し実際に署名したのは全体の29%(231例)だったといいます。実は韓国では2003年~2004年にも同様の延命医療拒否することが出来たらしく当時は1%だったことを考えると29倍も増えた結果になったともしています。ただ、残りの71%(578例)の延命拒否は自身ではなく家族により行われていることが分かったとのことです。

詳しく見ていくと末期と診断され最初から今後の延命医療を拒否する割合は、患者自身が拒否する割合が98.3%(227例)、一方で家族が拒否する割合は86%(501例)でした。また途中で延命医療を中止する割合は患者自身が1.7%(4例)とする一方で、家族が拒否した割合は17%(77例)もあったとのこと。

またこのような末期患者が入院する集中治療室の利用状況に関しては、死亡するまでの1ヶ月以内の末期がん患者の例として、2002年は1.8%だったのに対し2012年には19.9%、2018年には30.4%に増えていることも分かったとしてます。

延命医療決定法によりいわゆる死亡宣告を受けた患者の集中治療室の利用割合が減少するのではないかと当然予想がつくのですが、調査結果によると実際の現場では施行前の施行後では増え続ける上昇率に大きな変化はみられなかったとのことです。

論文を発表した教授によると「延命医療決定法施行以後、患者本人が直接署名する割合が急増した」とする一方で、「家族と本人の決定が異なる傾向がみられ(つまり延命医療の中断割合のこと)、集中治療室の利用率の減少に影響を与えることができない点などを考慮すると、まだ改善しなければならない点が多い」と話してます。

この文章を読む限りだと要は集中治療室を開けたいがために延命医療をやめてほしいという病院側の意図を感じてしまうのですがこれはそのような立場から制定されたものになるのでしょうか。

いずれにしても韓国国内では過剰な医療行為を拒否した例は施行から9ヶ月目の時点で家族による延命治療を中止した患者が1万4000人、本人により拒否した患者が7000人、合わせて21000人いたとしています。また延命医療はしないという延命治療計画書は既に6万人あまりが署名しているとしています。

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