B-61

ヨーロッパにおける核兵器保有国はイギリス、フランス、ロシアの3カ国です。実はこれ以外の国々にも核兵器が配備されており、NATO加盟国であるベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコになるのですが、これまで非公開だった核兵器の配備位置を誤ってネット上に公開してしまうというミスがあったと報じられています。

Military Timesによると不祥事があったのは今年4月、NATO加盟組織が発行していたという論文でその論文がアップロードされ組織内のホームページにアクセスすることで閲覧することができるというものになっていたと報じています。問題はその論文の内容で、これまで非公開になっていた北大西洋条約機構(NATO)の核抑止における政策の1つであるニュークリア・シェアリングにおけるベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコの核兵器配備か所が示されていたというものです。

Whoops! Canadian senator accidentally revealed European locations of US nuclear weapons

この論文はNATO加盟組織に所属するカナダ人の国会議員が執筆したもので、核抑止政策つまりニュークリア・シェアリングに関する論文だったとしており、論文ではこの政策では5カ国に合計で150発のアメリカが管理する核兵器の位置が記述されていたといいます。現在この論文は非公開とはなっていないものの配備先を削除したものが掲載中とのことです。

記事によると、配備先としてベルギーはクライネ=ブローゲル、ドイツはビューヒェル、イタリアは2箇所でアビアノゲーディ空港、オランダはフォルケル、そしてトルコのインジルリキだったとのことです。
これら地域を見ていただくとわかるようにいずれに空軍基地がありニュークリア・シェアリングによる配備されている核兵器がB-61という航空から投下するタイプのものであり、軍関係者であればなんとなく予想がつくような内容だったと考えられます。

具体手にはドイツについてはルクセンブルクに近い空軍基地に配備されているという内容が記載されており、インターネットを調べればこの核兵器はドイツ空軍の第33戦闘爆撃航空団が運用することになっており航空団が所属するのはビューヒェルの空軍基地となっています。
したがって私達素人であっても配備先は見つけ出すことができるため当然ロシアなどの東側は情報流出以前に正確な位置は掴んでいると考えられます。ちなみにこの基地には20発のB-61が配備されています。



▼B61-12
B61

ニュークリア・シェアリングとは主にロシアの侵攻を防ぐためあくまで自国内でのみ使用可能という前提で運用できるアメリカ製の核兵器で、基地内における核兵器の防衛、そして実際の運用に必要な暗号コードなども全てアメリカにより管理されています。配備されているのは西側が運用するほぼすべての航空機に搭載可能なB61-12という核出力0.3-340キロトン(広島型原爆換算で0.3~22.6倍)の可変型核兵器です。