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本格的な夏を迎えた地球の北半球。日本では連日30度を超える日が続いていますが、一方で太陽系の外側に目をやると想像することが出来ない環境で公転し続けている惑星があることが判明しました。今回発見された巨大ガス惑星、なんと上層部の大気が摂氏2500度というよくわからない温度になっていました。

私達銀河系内にある数え切れない恒星の周りには、数え切れないほどの惑星が公転していることは容易に想像できるのですが、今回私達人類が発見した系外惑星のなかで異例な天体を発見したとNASAが発表しました。

Hubble Uncovers a ‘Heavy Metal’ Exoplanet Shaped Like a Football | NASA

NASAが運用するハッブル宇宙望遠鏡により観測されたのはWASP-121bという天体です。WASP-121bは2015年にスーパーWASPという観測で発見されていた天体なのですが、その詳細を観測したところこれまで発見された天体の中でも極めて異例な天体であることがわかったとのことです。

▼WASP-121bのコンピュータシミュレーション
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まずWASP-121bは主星であるWASP-121を公転しいてる巨大ガス惑星で『ホット・ジュピター』というこれまでも多く発見されている高温に熱せられた木星型ガス惑星という分類に入ります。WASP-121bは恒星からの距離はわずか0.025AU(1AUは地球と太陽の平均距離)しか離れておらず、1.27日周期で公転していることが確認されていました。

したがって極めて高温に熱せられていることは間違いないのですが、今回観測を行った結果WASP-121bの上層大気の温度は2500度に達していることが確認されたとしています。そしてこの天体、主星との重力が極めて強くはたらいており円形ではなくフットボールのように歪んでいることが確認されました。そしてこの惑星からはマグネシュウムや鉄などの重い元素げ吹き飛ばされていることも確認されたとしています。このような現象が確認されるのは天文学としては世界初の成果だとしています。
またこの天体については主星との潮汐力も強くかかっていおり近い将来バラバラになってしまうことが予想されているとのことです。

研究者によると、惑星から失われる大気についてそのストーリーを観測することができるとしており、天体からは水素やヘリウムをはじめとした元素が他の重い元素と混ざるようにまるで川のように宇宙空間に流出しているとのこと。

地球とは全く異なる環境で生命の存在の想像すら寄せ付けないあまりに恐ろしい環境となっているWASP-121b。とも座の方角に距離にして900光年先に現在も存在し続けていると考えられています。