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近年、新たな兵装として注目されているのはレーザーです。これは映画などSFやゲームに登場するようなレーザーとは見た目は全くことなるのですがアメリカ陸軍としては巡航ミサイルも迎撃できるような高出力レーザーを2024年までに配備する計画があると報じられています。

NextBigFutureによると、アメリカ陸軍は2022年に4台ストライカー装甲車を扱う小隊に50kWクラスのレーザー砲を搭載した車両を配備し、機動短距離防空(M-SHORAD)に対応可能とすると報じています。

US Army Fielding 50 Kilowatt Lasers in 2022 and 300 KW In 2024 – NextBigFuture.com

指向性エネルギーによるM-SHORADの役割としては敵の無人機、回転翼機、ロケット砲、砲兵や迫撃砲から部隊を守ることを目的にしています。アメリカ陸軍では2019年5月に陸軍の近代化を図る目的として指向性エネルギー(つまりレイザー兵器)の実用化加速する新しい戦略を承認していました。

現在2社により必要なレーザーシステムの開発が進められており開発した兵器をストライカー装甲車に搭載しそれぞれ試験を1年間実施します。その結果、軍での使用において良好と判断された場合、プロトタイプ車両として2022年度に配備する計画です。製造されるのは試験車両1台(?)を含む合計4台としており、試作車両の引き渡しとして4億9000ドルの契約となるとのこと。

米軍では現在100kWのレーザー兵器を製造するため1億3000万ドルの契約がされているものの、アメリカ陸軍としては100kW級レーザーはスキップし250~300kW級レーザーの配備を目指す方針が明らかにしています。



レーザー兵器については出力が高ければ高いほどより高速、高高度、長距離のターゲットを破壊できることに繋がり、米軍陸軍としては対象を巡航ミサイルの破壊も可能なものを必要としているそうです。50kW級レーザーでは近年テロとの戦いで用いられているドローンに小型爆弾を搭載した兵器には十分対応可能なもので、このような安価ドローン兵器に数百万円もするような高価なミサイルを使用せずに済むためコストパフォーマンスに優れた兵器と言われています。
従って米陸軍としては100kW級というドローンにはオーバースペックで巡航ミサイルの迎撃は不可能な出力のものは製造せず250~300kW級にシフトするということになります。

またBreaking DefenseによるとCSBAの専門家の話しとして巡航ミサイルを破壊するには300kW級については多くの巡航ミサイルを迎撃することはできるものの、ロシアや中国に配備されている高速で機動性の高い巡航ミサイルは迎撃不可能であり600kW級が必要だという指摘もされています。

*抄訳したものを掲載しています