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民間宇宙企業の草分け的存在になったスペースX。同社のCEO イーロン・マスク氏は先日開発中の超大型宇宙船 スターシップに関するプレゼンテーションを行い今後の計画と最新の仕様について発表を行いました。

アメリカの宇宙ベンチャーとして世界最大の打ち上げ能力のあるファルコン・ヘビーロケットや国際宇宙ステーションへの物資輸送を行い今後有人打ち上げも実施を控えているスペースX。この企業が実質後継機として開発しているのは超大型宇宙船『スターシップ』とロケット『スーパーヘビー』です。

今月28日、同社のCEOイーロン・マスク氏はスターシップの試作機を背後に、今後開発・試験をすすめるスターシップのほぼ最終的な仕様を発表しました。



まず現在試作機となるスターシップはMk1とMk2の2機が製造されています。今回イーロン・マスク氏の背後に登場したのがMk1で、Mk2についてはフロリダ州ケープカナヴェラルで進められています。このMk1については同社が開発したラプターエンジン3基を備えており、まずは地球大気圏内での初飛行が実施されます。この3基は大気圏内での打ち上げに適用したエンジンです。

▼実装された3基のラプターエンジン
ラプターエンジン

イーロン・マスク氏によると初飛行は連邦宇宙局および通信委員会に飛行許可及び通信許可を申請している段階であり、早ければ10月中旬にも実施される可能性があるとしています。その上で余裕をみて「今後1ヶ月から2ヶ月以内に実施する」と発表たとかんがられ、テスト飛行では約高度22.5kmまで打ち上げを行い垂直に着陸する予定です。

▼実装されたのは中央のエンジン。外周にあるのがバキュームエンジン
スターシップ エンジン

初の大気圏外と考えられる試験飛行については今後6ヶ月後に実施するとしており、ラプターエンジンを6基構成として実施するという趣旨の説明をしています。追加される3つのエンジンは真空での動作に対応したエンジン(ラプターバキュームエンジン)になります。ただ、試作機のスターシップによる地球を周回する飛行はMk3で行うとしており、複数の試作機を製造していくという趣旨の話もしています。
初の地球周回飛行は来年初旬を目指しており、2020年後半での有人打ち上げも視野に入れているとのことです。

▼スターシップ
スターシップ

スターシップは全長約50mで試験機の重量は200トンあります。実用型のスターシップでは乾燥重量を120トンまで下げる予定です。またスターシップに搭載可能な人工衛星等の重量は110トンから150トンにアップグレードされる可能性があるとのこと。この数値については下記のスーパーヘビーを用いた場合の搭載量になると考えられます。

この宇宙船の表面を覆っているのは301ステンレス鋼というもので、特性としては極低温での強度は炭素繊維の実に2倍の強度があるとしています。炭素繊維に比べ溶接することができる他、費用についても炭素繊維が1トンあたり13万ドルするのに対し301ステンレス鋼は2500ドルで調達することができるとしています。

▼スーパーヘビー(ブースター)
スパーヘビー

スターシップは単体で宇宙に到達することができるものの月軌道や火星といった深宇宙への打ち上げに対応するべくスーパーヘビーというブースターを接続します。このスーパーヘビーについては推力が世界最高級の推力があったサターンVロケットの実に2倍程度あるといい、搭載されるエンジンは37基のラプターエンジンです。
このスターシップとスーパーヘビーをあわせた重量は4500トンに達し、サターンVの3038トン、スペースシャトルの2028トンを軽く超え間違いなく世界最大のロケットとなります。

▼スーパーヘビーを接続したスターシップの打ち上げイメージ
スターシップとスーパーヘビー

スペースXによると将来の目標としては1日あたり3~4回のスターシップの飛行を目指しているとしており、完全再利用型の宇宙船を用いることで年間あたり300万トンの打ち上げを実施することができると主張しています。

あまりに大規模な計画となっているのですが、打ち上げ失敗が発生するとその後数ヶ月間全ての打ち上げが停止してしまうという問題がありこのような事故対応についてスペースXはどのような対応をしていくのでしょうか。もちろん現在運用しているファルコン9ロケットのノウハウが相当あることは間違いないのですが、史上最大の巨大ロケットの打ち上げについては宇宙関係者側は期待とそれと同じく疑問をもちつつあるのではないかと考えられます。

ちなみにスペースX全体におけるスターシップおよびスーパーヘビーの開発については全体の5%未満のリソースで行われているとしており、現在最も多くのリソースが割り振られているのは現在運用しているファルコン9と打ち上げが実施されていない有人宇宙船ドラゴンの試験だとしています。

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