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私達一般人が乗り込むことができる高速な移動手段といえば旅客機です。しかし、その速度は極一部を除き亜音速の飛行速度で長距離移動には依然として長い時間がかかります。これに関してイギリス宇宙局は次世代の乗り物として極超音速で飛行するエンジンの開発を目指しています。ちなみにこのエンジンはスカイロンでお馴染みのセイバーエンジンです。

(CNN) 英宇宙局は24日、ロンドン・シドニー間を4時間で結ぶ「宇宙飛行機」を2030年までに就航させる構想を明らかにした。実現の成否を握るのは英国で開発中の極超音速ロケットエンジンだ。新プロジェクトの目玉となる「複合予冷空気呼吸ロケットエンジン(SABRE)」は、オックスフォードシャー州に拠点を置くリアクション・エンジンズが開発した。英宇宙局のトップ、グレアム・ターノック氏は「SABREエンジンを完成させれば、わずか4時間でオーストラリアに行けるようになるかもしれない」と話す。

CNN
次世代旅客機として近年注目されているのはコンコルドのように音速を超える速度で飛行可能な機体です。これは特に欧米では力が入れられている分野と認識しているのですが、今回登場する複合予冷空気呼吸ロケットエンジン『セイバー』を搭載した機体は、現在開発されている一般的な超音速旅客機とは仕様が全く異なります。

そもそもこのエンジンや機体は記事でも記載されているようにリアクション・エンジンズが考案したもので、以降欧州宇宙機関 (ESA)が出資するなどしており、同社のホームページを見る限りではESA以外もボーイングやBAEシステムズなど大手軍需企業、そしてDARPAなど明らかに軍事分野に応用してきそうな企業が参画しているという規模になっています。

そんな『ヤバイ』チームにより開発が進められているこのセイバーエンジンを搭載した機体は一般的な超音速旅客機はいずれもジェットエンジンを搭載し大気圏内を飛行するというものになっているものの、セイバーエンジンを搭載した機体は大気圏を飛び出し宇宙空間を飛行します。

▼旧スカイロンの機体構造
③の赤い部分が液体水素の燃料タンク、青の④が液体酸素の燃料タンク、中央の⑤が衛星を収めるスペース。
スカイロン_2

この機体は主に宇宙への物資輸送などに使用する機体を『スカイロン』、超音速旅客機として『LAPCAT A2』などと名付けられていたものの、現在このような名称は使用されていないそうです。また機体デザインも大きく変更され最新のデザインは以下のようなものに仕上がっています。

▼セイバーエンジンを搭載した機体
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現在開発されている大気圏内を飛行する超音速機と異なるのはまず燃料です。セイバーエンジンは大気圏内では大気中の酸素と搭載した液体水素を燃焼させ、宇宙空間では液体酸素と水素を燃焼させます。この異なる燃焼を一つのエンジンで行うことができ、滑走路から0kmから始動することができるという画期的なエンジンとなります。

現在このエンジンの開発はバッキンガムシャー州ウエストコットで『TF1(Test Facility 1)』という施設、そしてアメリカには『TF2』という施設がそれぞれ建設されています。記事によると今年4月には予冷器の試験に成功、実験ではマッハ3.3をシミュレートすることができたとしています。

具体的にセイバーエンジンの性能はどの程度なのか。これも記事に記載されているとおり、大気圏内ではマッハ5、宇宙空間ではマッハ25を目指しており地域間の旅客輸送ではロンドンとシドニー間をわずか4時間で繋ぐことができるとしています。

この機体については2019年に就役できると2014年時点で報じられていたものの2018年には2025年に、そして現在は2030年と伸ばされています。仮に開発された場合、地上と宇宙がより近くなることが予想でき、特に航空・宇宙分野ではゲームチェンジャーとなる機体になることは間違いありません。

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