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現在韓国の最北部で問題となっているアフリカ豚コレラの感染拡大に関して、今月20日時点で野生のイノシシ10頭で発症が確認され範囲が広がっていることから初期防疫が失敗したという指摘がでる可能性があると報じられています。

韓国メディア、聯合ニュースによると今月18日環境部所属国立環境科学院は漣川郡で確認された野生のイノシシのサンプルからアフリカ豚コレラの陽性反応が出たと発表したと報じています。

연천 민통선 3㎞ 남쪽 멧돼지서 돼지열병 바이러스…10마리째 | 연합뉴스

野生のイノシシから陽性反応がでたのは3日ぶりで、このイノシシの申告があったのは18日午後5時過ぎで午後6時20分ごろには現場に到着したものの周囲が暗くなっており確認ができなかったといいます。翌日午前にはイノシシを発見し指針に基づきサンプルを採取しイノシシを埋めたとのことです。
一方サンプルを検査したところ19日午後8時に分析が開始され20日午後5時に陽性判定がでたとしてます。

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今回10頭目となるアフリカ豚コレラの陽性反応がでたのは、北朝鮮との軍事境界線の南側にある民間人出入統制区域(CCZ)さらに外側、つまり一般人も自由に立ち入ることができるエリアです。このエリアは立ち入りなどは規制されておらず動物も自由に行き来しているところであり、10頭目についてはCCZから更に南側に3kmの地点で発見されたとしています。

環境科学院生物安全研究チーム長は今回の発見にあたって周辺に感染した個体がいるかどうか監視を強化し、野生動物の侵入を防ぐ鉄条網の設置を進める方針を明らかにしています。

野生のイノシシは広範囲を移動できる運動能力があるため既に確認されていない範囲にまでウイルスが媒介されている恐れもあることから記事では初期防疫が失敗した可能性が今後指摘される見通しとしています。

韓国では今年9月に初めてアフリカ豚コレラが確認され以降、発症は限定されたエリアに留まっており防疫は比較的順調に進んでいました。しかし、野生のイノシシによる感染が確認されたことで今後広範囲に広まる可能性が非常に高く、非常に難しい対策が求められることになると考えられます。