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イギリスのリアクション・エンジンズにより発案され開発が進められている真のスペースプレーンである機体に搭載するエンジン『セイバーエンジン』に関して、最も開発が困難とされたプレクーラー熱交換器に関して大気圏内での飛行速度となるマッハ5に相当する速度での作動に合格したと報じられています。

滑走路から旅客機のように飛び立ち、国際宇宙ステーションが周回しているような宇宙に到達。さらに滑空し滑走路に着陸するというすべてが単体エンジン、単一機体で運用ができるセイバーエンジンを搭載したスペースプレーン。
実際に開発されれば宇宙分野では従来のロケットとは一線を画するゲームチェンジャーになると言われている機体になるのですが、これに搭載するエンジンで大きな進展があったと報じられています。

British-made hypersonic engine passes key milestone at Colorado test site

Defence newsによるとイギリスのリアクション・エンジンズは今月22日、スペースプレーンに搭載するセイバーエンジンのプレクーラー熱交換器の試験をアメリカの高温気流試験施設(コロラド州)で試験を実施し、音速の5倍相当にとなる環境下での動作試験に成功したと発表しました。

▼試験が行われたコロラド州の施設
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このスペースプレーンは大気圏内では搭載した液体水素と大気の酸素を燃焼させ0km~マッハ5の飛行速度、そして宇宙空間では搭載した液体酸素と液体水素を燃焼させることでマッハ25まで加速することができるという単体エンジンです。
開発が難しいのは大気圏内で動作する場合、エンジンに取り込まれる超高温大気を1/20秒未満の時間で1800度からマイナス150度(過去の発表)まで下げなければならないという課題です。この冷却を行うのがプレクーラー熱交換器で今回行われた試験では最も困難とされた部分を地上試験でクリアすることができたとしています(試験は高温気流条件下で実施されたとしている)。過去の試験では今年4月に788度(マッハ3.3程度)の飛行下における同様の試験に成功していました。

▼セイバーエンジンを搭載した旧スカイロンの機体構造
③の赤い部分が液体水素の燃料タンク、青の④が液体酸素の燃料タンク、中央の⑤が衛星を収めるスペース。
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今回の試験成功に関し同社は「当社独自のプレクーラー熱交換器テクノロジーの性能は極超音速飛行条件で検証され、ゼロからマッハ5まで加速可能な最初のエンジンの開発という目標の実現に近づきました」と満足している様子です。
同社の広報によると、今後12ヶ月~18ヶ月以内に完全となるセイバーエンジンのコアエンジンの試用が可能になるとしており、イングランドでまもなく完成する施設での試験を行う予定とのこと。



記事を読む限りでは実際にエンジンを搭載した機体の開発については今後10年程度先になるという内容が記載されているものの、このエンジンや機体の開発はロールス・ロイスやBAEシステムズ、イギリス国防省、そしてアメリカからはボーイングやDARPAが参画しているものであり、次世代の軍事技術としても注目されているものと考えられます。

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