Su-34

世界トップクラスの軍事力を誇るロシア。空軍の戦闘機であればスホーイファミリーが中心に配備されており同機は世界各国にも輸出されているのですが、先日Su-34という大型の戦闘爆撃機が翼を外された状態で高速道路を牽引されるという不思議な光景が目撃されたと報じられています。

The Aviationistによると、ロシアに配備されているSu-34 フルバックが翼をはずした状態で高速道路上を移動していた様子が確認されたと報じています。

Wait… What? What Is a Russian Sukhoi Su-34 Doing Driving Along the Road? – The Aviationist

記事によると、この写真はロシア人がFacebook上にアップロードしていたものだとしており、具体的な撮影場所などは明らかにされませんでした。そのうえで、この機体は機体番号などから2015年以降、シリアのバッセルアルアサド国際空港に配備された4機のSu-34の1機であることが分かったとしています。

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高速道路を牽引しながら戦闘爆撃機が通過するというのは日本ではまずみられることはないのですが、なぜ空を飛ぶことができる機体が高速道路を牽引されていたのでしょうか。詳細は明らかになっていなのですが、同日の早朝に実はこの牽引されるSu-34が撮影されており、それらの予想からロシアのブトゥリノフカからヴォロネジに輸送していたのではないかと主張しているロシア人もいるとのことです。

▼同日早朝に撮影された機体
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ヴォロネジはSu-34の本拠点となっていることからメンテナンスで運ばれた説地上におけるパイロットの訓練機体として機体を移動している説、または本格的な冬季を迎える前の移動説などいくつか上がってるとしています。

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また興味深い資料として実はこの機体は2019年9月6日に事故を起こしていたこと報じられており、パイロットの責任の有無などを調べる事故調査が進められていたとのことです。

いずれに通常は行われない地上輸送となったことは、この機体は輸送前から飛べる状態ではなかったことは間違いなく、スクラップとして壊す目的で輸送していたのではないことは確実です。その上で9月の事故調査および事故による機体構造を調査するため運ばれた可能性もあるのではないかと考えられます。

Su-34は2007年に運用がはじまった比較的新しい機体で、機体サイズは全長23.34m、幅が14.7mと学校にあるような25mプールほどの面積になるという大きさです。同機は1機あたり5万7000ものパーツから作られており、Su-27をベースとしたフランカーファミリーの1つで一部のパーツは共通したものが使用されています。



コックピットは旅客機のように横並びに2名が乗り込み、機内には料理を温める簡易的な装置の他、小さいトイレがあるなど他には無い装備や機体デザインの美しさもあり人気のある機体の一つとなっています。