スターライナー

航空宇宙大手のボーイングが開発している有人宇宙船CST-100『スターライナー』が初となる打ち上げ脱出システムの試験が実施されました。今回の試験では一部パラシュートが開かないなどトラブルも発生しました。

アメリカの宇宙ニュースサイトSpace.comによると今月4日、ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ・ミサイル実験場で、ボーイングが開発を進めている有人宇宙船CST-100『スターライナー』に搭載されている打ち上げ脱出システム(LES)の試験を行ったと報じています。

Boeing Tests Starliner Spacecraft's Launch Abort System for Rocket Emergencies | Space

▼動画で解説


今回行われた試験は宇宙飛行士が宇宙船に乗り込んだ後にロケットが炎上したり、打ち上げ後予定した軌道から外れるなど宇宙飛行士の命を失いかねない深刻な事態が発生した場合に動作させるもので、方法は異なるもののソユーズ宇宙船や同じくアメリカのスペースXが開発を進めているクルードラゴンにも搭載されているものになります。

記事によると、今回の試験ではこのスターライナーで宇宙に飛び立つ3人が立ち会ったとしており「このシステムが使用されないで済むよう願っています」などとコメントしていたといいます。

▼行われた試験のコンピュータシミュレーション


今回の試験はテスト開始から着陸までわずか1分あまりで終了しました。打ち上げが実施されたのは4日午前7時15分で、エンジン動作後わずか5秒後には音速よりも若干遅い1046km/hまで急加速。その後姿勢制御用の小さいエンジンを動作させながら弾道軌道を描き次々とパラシュートを展開。しかし最後に展開する巨大なメインパラシュートが通常は3つ展開される予定だったものの2つしか開かないというトラブルが発生しました。

このパラシュートは通常飛行における着陸でも運用するもので3つあるうち2つ展開すれば問題なく着陸することはできる仕様で設計されているものの、宇宙飛行士の前でトラブルが発生するという後味の悪い試験となりました。

アメリカでは現在国際宇宙ステーションなど地球低軌道への宇宙飛行士の打ち上げは民間企業に委託し、月や深宇宙など困難な有人ミッションはNASAが開発を進めている(正しくはロッキード・マーティン製)オリオン宇宙船で実施するという計画で進められています。

スターライナーにおける今後の試験は来月17日にも無人状態のスターライナーをアトラスVロケットに搭載し宇宙に打ち上げ地球に帰還させます。現時点で日時は設定されていないものの、この無人打ち上げの評価次第で来年にも初の有人打ち上げが実施されるものと考えられます。

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