Space one_2

先日、紀伊半島の南端で起工式が行われたのは国内初の民間ロケット発射場です。この発射場では2021年以降のロケット打ち上げ実施を目指しています。一方、既に海外勢の民間ロケットが多く登場しているのですが今回は民間企業が開発しているロケットと比較していくと思います。

近年、人工衛星に搭載可能な機器の性能向上もあり超小型人工衛星をはじめ大学や企業が人工衛星を開発しその打ち上げを行う『商業打ち上げ』が海外では多く実施されています。特にアメリカでは複数の企業が小型ロケットの運用打ち上げ計画していたり、既に初打ち上げを行っている企業も存在しています。

したがって、スペースワンのロケットはこれら企業がライバルとなるのですが、今後も増え続けると考えられる需要を獲得することができるのでしょうか。主なライバル企業ロケットと比較するとこのようになります。

ヴァージンオービット
ロケット…ランチャーワン
性能…太陽同期軌道(500km) 300kg ,(230km)230kg
コスト…1000~1200万ドルを目指す

ロケットラボ
ロケット…エレクトロン
性能…太陽同期軌道(500km) 100kg 
コスト…500万ドル以下を目指す


ベクターローンチ
ロケット…Vector-H
性能…太陽同期軌道(?km) 95kg 
コスト…350~450万ドルを目指す


スペースワン
ロケット…?
性能…太陽同期軌道(500km) 150kg 
コスト…?

スペックだけを比較した場合スペースワンが運用を目指すロケットは小型ロケットとしては十分な打ち上げ性能があるものと考えられます。その上で懸念されるのは国産にありがちなコストの高さです。

ロケットはあくまでも『宇宙にモノを打ち上げることが主』であり、打ち上げコストを抑えることができるのかが結局は最も重要になってきます。当然、打ち上げコストを抑えることができれば人工衛星の運用を目指す側としては開発コストを抑えることができます。

その上で、スペースワンが目指すロケットのコストはヴァージンオービットと同じ1機あたり1000~1200万ドル(10億円~12億円)以下に抑える必要があると考えられます。何れにしても打ち合えげコストを抑えることができなければ同社が目指す「世界最高頻度」の打ち上げ回数も当然クリアすることは必然的に不可能になります。


今後も小型人工衛星を打ち上げる民間企業ロケットは増えていきます。日本は太平洋に面しておりロケットの打ち上げには地理的にも向いている国です。一方で、再利用などを行うことで打ち上げコストを抑えることができるのかが今後の事業継続を左右することになります。