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公共交通として特に街と街、市内の輸送を担っているのはバスと電車です。この公共交通に関して熊本県で今年9月に1日だけ無料というイベントを実施したところ、多くの人がこれを利用し市街地は通常よりも1.5倍ほど人が多く、交通渋滞も緩和されるなど各所に影響が及んだと報じられています。

2019年9月14日(土)、熊本県で「県内バス・電車無料の日」が実施されました。県内の路線バス、市電などを(JRなど一部の鉄道と、高速バスなど一部のバス路線は対象外)、誰でも1日無料で乗車できるというもので、県内最大のバス事業者である九州産交グループが企画したものです。



「無料の日」の朝、県内各地から熊本市街に到着する路線バスは軒並み、乗降口のステップまで超満員でした。午後には、道路中央部に設けられた市電の停留所から、電車を待つ人が車線にあふれかねない混雑ぶりに。サクラマチの1階に新設された桜町バスターミナルでは、夕方以降、全ての乗り場に帰宅客の長い列ができ、各事業者から応援に出た社員らが整理に追われました。

乗りものニュース
今回、1日間だけ行われたイベントで明らかになったのは普段、公共交通機関を利用しない人が利用するようになったという点です。記事によると、熊本県の大学やヤフーのビッグデータ、また市内の交通分析を解析した結果、この1日で公共交通を利用した人は約25万人、通常の2.5倍の量となったとしています。

それに伴い熊本県中心市街地では来場者数が通常の1.5倍、ランチタイムでは2倍になりこの日だけの経済効果は5億円に達したと推計しているとのこと。そして、公共交通機関を利用したことで必然的に車を使用する人が減り渋滞の最大の長さも59%現象したとのことです。

コストと課題

企画した九州産交グループによると熊本県内すべてのバスを仮に年間無料にしようとすると年間コストから熊本県内1世帯あたり年間1万2000円で済むとしています。つまり1世帯が1ヶ月あたり1000円を支払えばバスに限っては運用することができるとしています。

ただ、そうなると市内中心部に暮らしバスの便が多い地域とそうではない山間部で格差が生じ、地方の集落にも「バス停が欲しい」という要望や、バスの便を増やすことになり負担額はさらに増すことが予想されると纏められています


今回の試験は非常に興味深いものとなっており、例えば現在のバスの1年間の定期券は地域により異なるのですが、調べたところ年間8万円から10万円となっており少なくとも安くはありません。そして高齢化社会を迎えた事による特に高齢ドライバーによる事故が社会問題も考える必要があります。
地方に目をやると市の中心市街地はシャッター通りで、夜はゴーストタウンになるほど衰退しきっています。一方で郊外に大規模な駐車場を備えたショッピングセンターが立ち並ぶなど人の流れが明らかに郊外に進出している傾向が続いています。

深刻となっている高齢者社会と地方都市における中心市街地の衰退について、打開策は既に整っているインフラを見直すだけで大きく改善する可能性があるということを今回の無料企画から見えてきたと考えられます。
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