献血大王_3

医学がこれだけ発達した現在においても人工血液は一般に存在せず、未だにヒト由来の血液が用いられてます。この血は紛れもなく誰かが善意で血を提供してくれたモノとなっているのですが、先日中国で献血大王と呼ばれた人が亡くなっていたことが明らかになりました。

中国メディア『网易新闻』によると、今月10日湖北省孝感市に住んでいた汪炎平という48歳の男性が亡くなったと報じました。実はこの男性、11年間で106回も献血を行い表彰されるなど『献血大王』などと呼ばれていたといいます。

湖北48岁"献血大王"汪炎平去世 无偿献血73600毫升_网易新闻

キッカケは2005年の春節で弟と共に漢川に訪れた時に、ホテルの出口で採血車を目にし二人は特に理由もなく採血に協力していたといいます。しかしこの時、医療スタッフから「献血は自分に害をもたらすことなく人々を救うことができるのです」という言葉を聞かされ強く心に響いたらしく、以降定期的に献血に訪れるようになったといいます。

また、自身の娘が18歳になった日、親子で市内の血液センターに行き献血を実施。娘は「父の影響で私の誕生日を献血で過ごしたかった」と話しています。

献血大王_1

汪さんの活動はこれだけに留まらず村の人々にも献血を呼びかけ300人以上の村民が献血に訪れるという規模にまで広まり、この活動が評価され村は全国ボランティア献血促進賞受賞区となったとのこと。

汪さんは本人はこれまで『全国無料献血賞』『全米無輸血献血推進賞特別賞』『CCTV 2014パーソンオブザイヤー』を受賞した経歴があるとのことです。

献血大王_2

しかし、今から3年ほど前の2016年10月末の事故に遭い病院に運ばれたものの強い麻痺が残るなど障害を患っていました。その後、看病していた妻が脳梗塞と脳卒中となり入院。娘が仕事をやめて看病をするなど、ボランティアらの支援もあり治療が続けられていたといいます。しかし今月、具体的な死因は明らかになっていないのですが、今月死亡したとのことです。
また汪さんの希望により遺体は角膜や他の臓器を医学研究に役立てるため寄付することになったと報じられています。

汪さんが生涯に提供した血液の量は73600ミリリットルで、成人血液の15人分に匹敵する量でした。