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北朝鮮が開発した数々の弾道ミサイル。その中でも最大なのは火星15というものでこれはアメリカ本土にまで達すことができる大陸間弾道ミサイルと考えられています。このような兵器に関して複数の核弾頭を搭載可能な多弾頭ICBMを開発した可能性があると報じられています。

韓国メディア中央日報によると国防部傘下の韓国国防研究院(KIDA)は今月、北朝鮮が多弾頭大陸間弾道ミサイルの開発の可能性を指摘したとしており、国の軍関連機関が北朝鮮の弾道ミサイルにおける多弾頭化に言及したのは今回が初めてとなった報じています。

국방부 산하기관, “北 다탄두 ICBM 개발 가능성” 첫 언급 - 중앙일보

記事によるとこの発表は今月13日に発行した「2020国防政策環境の展望と課題」という報告書に記載されていたもので、北朝鮮のICBM多弾頭化観測は異例と評価されているとのこと。多弾頭化の根拠としては火星15型の弾頭が従来の三角錐のような形状ではなく丸みを帯びていたことにあるとしています。韓国側はこれに関してはこの点に関しては明確な回答はしていなかったといいます。

従って、すでに分かっていたことを言及したことについては北朝鮮が強硬路線を進む可能性が高くなっており、神経を尖らせている理由だとしています。

▼弾頭が小さく細い火星14 
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▼火星15の弾頭
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▼1機の弾道ミサイルに複数の弾頭を搭載する方法はMIRV(マーヴ)と呼ばれている。写真は1970年代に開発された旧ソ連のMIRVが導入された多弾頭弾道ミサイル
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またこの報告書では「北朝鮮の国防及び軍事政策は北朝鮮とアメリカによる非核化交渉の結果に基づいている」とし「先の米朝交渉決裂時、北朝鮮当局が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と多弾頭ICBM開発に力を入れたことに見て取れる」としています。従って米朝非核化交渉で進展が見られない場合、北朝鮮が米国の軍事的圧力を牽制するために報復能力を着実に増強することを意味するとしています。

北朝鮮が今月始めに行ったとするエンジンの燃焼試験に関して詳細は明らかになっていないものの、記事では複数のエンジンをひとまとめにしたエンジンクラスタリングという技術試験に成功した可能性があると指摘しています。