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福島第一原発事故に伴う処理水に含まれる放射性トリチウムに関して、日本政府は海洋放出や大気放出し処理する方針を明らかにしましたが、これに抗議している韓国では原発1施設で福島第一原発の100倍となる放射性トリチウムを海洋放出していることが明らかになりました。

韓国メディア『ニュース1』によると、今月24日中国成都市で行われた日中韓首脳会談で日韓で1年ぶりとなる首脳会談が実施されました。この時、韓国が日本の福島第一原発事故に伴う放射性トリチウムの扱いに対して施設外に放出することに抗議している件に関して、韓国の原発1施設が放出している年間の放射性トリチウムの量よりも1/100以下になると説明していたと報じられています。

아베 "후쿠시마 방사능, 韓의 1% 이하" 주장에 文대통령이 한 말

記事によると、この説明を受けた文在寅大統領は日本政府の透明性のある情報共有が不足しており、政府関係者が公式発言を続けることに問題があるなどとし、今後安倍総理は韓国側と情報共有する用意があると述べたとしています。

福島第一原発からの放出が検討されているのは建屋内部侵入する地下水を減らすために設けられたサブドレインで、そこから組み上げた水から更に放射性物質を取り除いた『処理水』と呼ばれるものです。処理水は多くの放射性物質が取り除かれているものの、水と性質が同じという放射性トリチウムについては除去することは現代技術では極めて難しく、トリチウムが含まれた処理水が福島第一原発周辺にたまり続けています。

具体的にどの程度の量の放射性トリチウムが含まれているのかに関し、日本の政府の小委員会資料によると2016年のサブドレインから汲み上げた地下水から検出された放射性トリチウムの排出量は年間約1300億ベクレルと報告されました。一方、韓国の主要原発である月城原発が同年液体の状態で放出したトリチウムは合計で約17兆ベクレルだったとし、約130倍の差があると指摘しています。(正しくは液体放出が17兆ベクレル、気体放出が119兆ベクレル)

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記事によると「日本のメディアは文在寅大統領は福島第一原発からの放射性トリチウムの放出については反論はしなかった」と記載されているとしているものの、ニュースワンでは「日本側との放射性トリチウムの扱いについて情報共有がされていない点の反論はした」と報じています。

放射性トリチウムは、実は自然由来(宇宙線)由来とするものが日夜自然生成され続けており、普段飲む水などにも当たり前のように放射性トリチウムが存在してます。もちろん韓国の原発だけが放射性トリチウムを放出しているのではなく世界中の原発が放射性トリチウムを放出しており、当然日本の原発も例外ではありません。