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欧州から中東の範囲で数々の化石が見つかっているのネアンデルタール人の骨。現在、ネアンデルタール人は絶滅しその姿を見ることはできないのですが、その理由に関して自然絶滅説が最近発表されました。

オランダのアイントホーフェン工科大学、ライデン大学のチームが行った共同研究によると、私達現生人類と多くの類似性を持っていたネアンデルタール人が今から4万年前に姿を消した理由に関して、現生人類が絶滅に追いやったという説に関して否定する論文を発表しました。

New Study Claims We Probably Didn't Wipe Out The Neanderthals After All

研究チームによると、あくまでコンピュータシミュレーション結果として、50人から100人、500人、1000人、5000人でネアンデルタール人社会を構築しシミュレーションしました。このシミュレーションには現生人類との競争的相互作用などの仮設的要因はすべて無視する形で行ったといいます。

結果、このモデルによるシミュレーションでは最大で1万年程度文化が続くものの、ネアンデルタール人はどのシミュレーション結果でも絶滅に至ったとしています。研究では近親交配の影響や出生率・死亡率・性別比率などの考えられる人口統計学的変動が含まれているとしています。

▼ネアンデルタール人の骨が見つかった地域
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研究チームによると、ネアンデルタール人の人口はピークの時点で5万~7万人程度になったとしています。またネアンデルタール人の絶滅を助長させたものとして、この時既に出現していた私達現生人類と交流した結果、ネアンデルタール人との交配が進んだことでネアンデルタール人の人口が徐々に減少しはじめ集団を維持できなくなった可能性があるとしてます。

何れにしてもなぜネアンデルタール人が絶滅してしまったのかは分かっておらず、決定的な原因はまでは明らかになっていません。従って今回の研究結果も自然に絶滅したという説の一つに過ぎないということになります。