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高層マンションには当たり前のようについているエレベーター。しかし故障や老朽化などでエレベータの置き換える場合、1階の住民も金銭負担はしないといけないものなのでしょうか?この疑問について、最近韓国で判決が出たと報じられています。

簡単にまとめると
  • エレベーターの交換費用として、アンケートを元に全世帯の分担が決定
  • 裁判では1階・2階の住人はエレベーターの利用が少ないと訴えが認められる
  • 日本では全世帯が分担しないといけない?
ソウル新聞によると、マンション内にあるエレベーターの代替費用に関して、1階の住人も費用を分担しないといけないなどという内容に関して不当を訴えた裁判で、ソウル南部地裁は原告のAさんの訴えを認め1階の住人に対して費用の分担を求めるのは不当だという判決を下したとしています。

[서울신문] 1층 주민도 엘리베이터 교체비 똑같이 내라? 법원 “부당한 결정”

記事によると、訴えたのはソウル陽川区にあるとあるアパートの住人Aさんで、当該マンションの入居者代表会議で1994年に設置されたエレベーターを交換するため長期修繕充当金として5年間金額を引き上げる決定が出されたといいます。
この決定はマンション全世帯のアンケート結果として、入居している299世帯のうちアンケートに回答した262世帯のうち142世帯が入居者らが公平に分担しないといけないと回答、120世帯が1階2階の住民は対象から外したり負担金の減額するように定めた方が良いと回答していました。

しかし、アンケートに答えた半数以上が全世帯が公平に負担するよう回答したことを受け、長期修繕充当金を月額2万ウォン(約2000円)から5万ウォン(5000円)に引き上げたとしています。

一方でエレベーターを全く利用していないという1階、2階の住民48世帯が反発。うち43世帯がAさんに同意する形で訴訟したといいます。


裁判所の判断としては、「マンションのエレベーターは誰でも使うことができるものの、エレベーターをほとんど利用していない世帯に対しても長期修繕充当金を課すことは不当だというのは原告の主張に説得力がある」とし「また地下駐車場等もなく、1階の利用者がエレベーターを利用するとは考えにくく考慮した負担割合にするべきだ」と指摘したとのことです。

また今回の入居者代表会議の決定に関しては、例えば他のアパートの事例などの具体例をだし入居者に十分に知らせた後、合理的に決定しなければならなかったとし、意見を聞くなどせずアンケート結果を元に負担を決定したことは違法だとも説明しているそうです。


このような例は当然日本でも該当すると考えられるのですが、簡単に調べた限りではエレベーターのメンテナンス費用(管理費)については、そもそもマンションにあるエレベーターはマンション自体の共用施設であり、階に左右されず居住者が公平に分担しないと過去の判例があるとされています。
従って、今回のようなエレベーターそのものを交換となった場合も同様の判断がされると考えられます。