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私達臓器は基本的に一度人体から摘出された場合は長期間維持することは難しいのですが、スイス研究チームはなんと人体の外で肝臓を1週間維持でき、さらに摘出前よりも良い状態に再生することができるという装置を開発しました

これまで最大で12時間程度しか維持できなかった人間の肝臓について、チューリッヒ大学病院を中心とする研究チームはLiver4Lifeという装置を開発し最大で7日間も人体外で維持し続けることができるとしています。

Scientists Build Machine That Keeps Human Livers Functioning outside of the Body for 1 Week

このLiver4Lifeは摘出した肝臓を身体内のプロセス、つまり血液の濾過、運動、各種循環を模倣することができるといいます。研究者は「外科医、生物学者、および複数の技術者により4年の研究開発により作り出された装置で、今後移植やガン治療、また肝移植を支援することになる」と話しています。

Liver4Lifeはどのような装置なのか、内容は難解なのですがこの装置に入れらた肝臓は私達人間の平熱である摂氏37度に保たれ胆汁は取り除かられるといいます。またどこかの面に常に接した状態だと圧力により損傷してしまうため人工横隔膜により常に動いた状態になっているとのこと。

▼従来の非灌流肝臓(左)、右はLiver4Lifeにより維持されている肝臓
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この装置を使用した初期の研究としてヨーロッパでは移植に適さないと判断された10の肝臓に関して6つが機械に接続されたことにより1週間以内には移植に適した完全な機能に回復したことが示されたとしています。現時点でLiver4Lifeで処理された肝臓には人間には移植されてないものの十分な機能をもった肝臓になっていると判断されているそうです。

この装置を用いることで通常の肝移植の範囲が広まる以外も、これまで使用できないとされていた肝臓も使えるようになると移植の機会が増えることが予想されます。従って今後多くの命を救う可能性があるとしており、画期的で信じられないほどのデバイスだと記事では説明されています。