image_169

主に戦場で使用される毒ガス兵器。これについてはガスマスクが有効ですが、すべての毒ガスに有効なものではありません。これに関してアメリカでは、ある方法で人間そのものに毒ガス耐性をもたせる可能性がある研究が報告されているそうです。

戦争などで使われる化学兵器から身を守るには、防毒マスクを装着することが一般的ですが、化学兵器のなかには皮膚から浸透して致命的な効果をあたえるものが多くあり、防ぎきれないのが実情です。そこで米陸軍の研究者たちは兵士の遺伝子を書き換えて、毒ガスに対する耐性を持たせる計画を立案。

ナゾロジー
毒ガスといえば日本では地下鉄でばら撒かれたサリン、他にはVXガスなどが知られていますが、実はこのような毒ガスはそもそもガスマスクでは防ぐことはできません。サリンやVXガスは呼吸以外も皮膚からも吸収されるためガスマスクではなく防護服の着用が必須となります。

記事によるとこのような毒ガスに関してあくまでマウスを使った方法として肝臓の解毒作用を利用し毒ガスに対抗する手段が有効になることを確認したとしています。具体的には成体のマウスの肝臓に対して細胞の遺伝子を変化させる必要があるため解毒タンパク質の設計図が入っているというDNAウイルスを注入。これにより肝臓の細胞を有毒ガスに対抗できるよう人工的に変化させた結果、なんとマウスが毒を解毒し始めたことがわかったとしています。

実験結果として、遺伝子治療が行われた対毒ガスマウスは6週間、合計9回の致死量の神経ガスに晒されたものの生き延びることができ、その後少なくとも5ヶ月間は同じような毒ガスに対して解毒作用が維持されたとしています。

研究論文によると人に応用させた場合、G型化学兵器『タブン・サリン・ソマン・エチルサリン・シクロサリン』の神経ガスに関して人体を潜在的に保護することができるとしており、その期間は数週間から数ヶ月間になると予想している記載されています。

また、たった1回の投与で対毒ガス耐性の有効性を示すことが確認されているため、例えば神経ガスのリスクに晒される可能性がある軍人や農薬に晒される農家に対して、予防的治療として実行可能な選択肢である可能性を示唆する内容となったとしています。
このエントリーをはてなブックマークに追加