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2020年代に退役するとされている国際宇宙ステーション。現在宇宙にある唯一の有人研究施設なのですが、これに関してNASAは国際宇宙ステーションの商業化に向けてAxiom Spaceを選定したと報じられています。

NASASpaceFlight.comなどによると、NASAはNext Space Technologies for Exploration Partnerships 2(所謂NextSTEP-2)としてテキサス州ヒューストンに本社を置くアメリカ企業『Axiom Space』を選定し、今後3つの大型モジュールを開発し接続することを発表しました。

NASA selects Axiom Space to build commercial space station segment - NASASpaceFlight.com

Axiomによると接続するモジュールは『居住モジュール』『研究モジュール』そしてこれらを接続する『ノードモジュール』で構成され、ノードモジュールには更に地球観測用の小さいモジュールが接続されます。そのうち最初のモジュールについては2024年後半にも打ち上げられるとのことです。

▼新たに接続される3つの大型モジュール
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Axiom Spaceというほとんど耳にしたことがない企業については、2016年に設立されたばかりの企業で共同設立者兼CEOはジョンソン宇宙センターの国際宇宙ステーションプログラムマネージャーとして働いた実績があるMichael Suffrediniです。また同社は国際宇宙ステーションにおける経験を持つ企業と強力しており、アメリカのモジュールを製造したボーイングも含まれているとのこと。従って、技術の有無に加えてそのような理由から選定されたということが十分に伺えるものとなっています。

接続されるモジュールについては現在欧州宇宙機関のモジュール「コロンバス」と、日本の「きぼう」モジュールが接続されているノード2(ハーモニー)というモジュール先に接続されます。

▼ノード2のドッキングポートを介して接続されたスペースシャトル
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ただ、新しいモジュールが接続する場所には現在ドッキングポートがくっついている状態であり、どこかに移し替える作業を別途行う必要があるのですが、具体手にドッキングポートがどこに再接続されるのかなどは明らかになっていません。

一方で、国際宇宙ステーションについては当分維持される可能性があるものの、将来的には破棄されることになっており、Axiom Spaceのモジュールついては国際宇宙ステーション共に破棄することはせず、国際宇宙ステーションから離脱させ独自の宇宙ステーションとして運用を行う予定があるとしています。ちなみにソーラーパネルなど一部のパーツについては国際宇宙ステーションのものを流用することになっています。

▼国際宇宙ステーションから離脱後のAxiomの独自宇宙ステーション
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