MMX

JAXAによると日本が主導となり数か国の国際共同探査計画として進められてきた火星衛星探査計画(マーシャン・ムーンズ・エクスプロレイション、MMX)に関して、2つある火星の衛星から探査の対象をフォボスに決定したと発表してます。

JAXAによると2024年を目処に打ち上げを目指しているのは、火星の衛星からのサンプルリターンミッションとなる 火星衛星探査計画(MMX)です。この計画は2020年2月19日に正式に『開発移行』となったと発表しています。

▼動画で解説


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MMX計画ではH3ロケットを使用し2024年に探査機を打ち上げ、2029年4月に帰還を予定しています。開発される探査機は推進剤2,000kgを含む 重量3,400kgあり、大きく往路モジュール・探査モジュール・帰還モジュールの3つで構成されています。探査先となる火星の衛星フォボスは、現時点で着陸した探査機は存在せず、着陸に至っては 想定される様々な地質に対応可能な着陸装置を搭載します。

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フォボスの地表サンプルを地球に持ち帰ることができれば世界初のサンプルリターンになります。JAXAによると探査機はフォボスに着陸しその地点から複数のサンプル採取を目指しています。回収は『サンプルアーム』というロボットアームの先端に、打ち込み式の『コアラーシステム』を使用します。探査機には複数のコアラーを搭載しており火星の表面から2箇所以上のサンプルを回収しコアラーごと回収カプセルに収め地球に帰還します。
JAXAによると、フォボスから回収するサンプルの量は10g以上を予定しています。

▼NASAのマーズ・リコネッサンス・オービターが撮影したフォボス。RGB+近赤外線から合成されたもので色は強調されている(肉眼による色彩とは異なります)とのことです。
フォボス

一方、火星の衛星フォボスはどのような天体なのでしょうか。フォボスは1877年に発見された火星の第1衛星で直径は27kmでいびつな形をしています。特徴としては火星表面から僅か6,000kmを公転しており、地球に置き換えると月が38万km、気象衛星が周回しているような高度3万6,000kmよりも遥かに内側を周回しています。したがって、現時点で発見されている衛星の中では、フォボスは太陽系内で最も主星の近くを公転しているといわれています。フォボスは火星の静止軌道より内側を公転しているため火星の自転速度よりも速く周回しており、火星から見ると西から上り東へ沈み11時間後には西から再び上ってきます。

フォボスは月よりも遥かに小さいものの、火星の地表よりも近くを公転しているため地球に置き換えると月よりも一回り小さい天体として観測することができます。

▼地球から見た場合の月と火星からみたフォボスのサイズ比較
フォボス

フォボスにはこれまで幾つか探査機が送り込まれています。具体的には1988年にソ連が探査機『フォボス2号』を打ち上げています。しかし、フォボスまで100km前後まで接近した時点でコンピューターが故障。その後通信が途絶し計画は失敗しました。

また2011年にロシアはフォボスのサンプルリターンを行う重量13.5トンの大型探査機『フォボス・グルント』を打ち上げたものの、プログラムミスが原因で地球周回軌道からの離脱に失敗しています。この計画では2014年に帰還が予定されていました。

将来のフォボスのサンプルリターン計画としては欧州宇宙機関がJAXAよりも早い 2024年に打ち上げ2027年に帰還させるミッションが計画されています。
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