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鍋料理など和食で多く使われるえのき茸。このえのき茸に関して、アメリカでリステリア菌という細菌に汚染されている可能性があるとして販売していた企業が自主回収することを発表しました。既に死者も報告されている今回の事態。いったい何があったのでしょうか。

CNNなど海外メディアによると、カリフォルニア州、ニュージャージー州およびハワイ州で最近になり『リステリア』という菌が原因と考えられる食中毒が発生し4人が死亡し30人が入院するという事態が発生していると報じています。

記事によると、米食品医薬品局の発表としてこの食中毒はサンホンフーズという企業が販売していたえのき茸に原因があるとし、この発表を受けて企業が自主回収に乗り出しました。企業によると、回収されるえのき茸は韓国産の表記があり、パッケージには特徴的な緑色のがあるとのこと。

日本の厚生労働省によるとリステリアについては日本国内ではリステリアによる食中毒の報告例は無いとしているものの、世界では年間200人あまりが発症しているとしており、食品由来によるリステリア症は、年間住民100万人あたり0.1~10人と非常に少ないとしています。
したがって、健康な成人では非常に多くのリステリアを摂取しなければ発症することはなく、賞味期限や保存方法を守っていれば食中毒が発生するほどの菌数にはならないとしています。


リステリアは家畜、野生動物、魚類、河川、下水、飼料などの自然界に広く分布しており、4度の低温でも増殖することができます。また熱には弱く、65度で数分間熱すると死滅します。したがって、過去にはチーズや生肉、加工食品、サラダを食べたことで感染し発表した例があるとのことです。

今回アメリカでは妊婦が発症した6例が報告されているとしており、うち2人は流産となったとのこと。妊婦が感染した場合の危険性についても知られており、過去の研究では妊娠中は非妊娠時と比較して約17倍感染しやすいと言われています。胎児へは母体から胎盤を通過して感染するという垂直感染が発生し、妊婦222例の症例では20%で流産もしくは死産となった結果が報告されており、仮に生まれてきた場合も20%が死亡、10%で後遺症が見られたと報告されています。

今回の発表から米食品医薬品局は特に高齢者や妊婦は韓国産のえのき茸を食べないよう呼びかけを行っているとのことです。

ちなみにアメリカでは2015年にアイスクリームに含まれていたリステリアが原因で集団食中毒が発生しています。