クルードラゴン

アメリカの民間企業スペースX及びNASAは来月、自社が開発するクルードラゴンを使用し宇宙飛行士の有人打ち上げを実施すると発表しました。初の有人打ち上げでは2名のアメリカ人宇宙飛行士を、その次の打ち上げでは日本人宇宙飛行士の野口さんらが搭乗する予定です。

Space.comによると、今月17日アメリカ航空宇宙局(NASA)は「5月27日にアメリカ人宇宙飛行士が再びアメリカのロケットを使ってアメリカの地から発射します」とツイッター上で発表したと報じています。

On May 27, @NASA will once again launch American astronauts on American rockets from American soil! | Space

今回の打ち上げではフロリダ州にNASAの施設でるケネディー宇宙センターからSpaceXが開発したファルコン9ロケットとクルードラゴンという宇宙船を用います。搭乗するのは過去にスペースシャトルで2回の飛行経験のある2人の宇宙飛行士です。

打ち上げはDemo-2と呼ばれているもので、本格的な有人打ち上げを行う前のクルードラゴンを用いた最終試験です。この打ち上げではクルードラゴンは国際宇宙ステーションに向かいドッキング。軌道上で2~3ヶ月ほど滞在を行い帰還します。

▼打ち上げられるグルードラゴン(実物)
クルードラゴン_1

その後の打ち上げについてはDemo-2がすべて終了してから約1ヶ月後となり。その最初の第一便で野口宇宙飛行士ら3人の宇宙飛行士が打ち上げられます。つまり、計画通り今年5月27日に打ち上げられたとして宇宙飛行士が帰還するのは最短で7月末。その後1ヶ月あまりNASAの審査が行われ認可されてからとなるため最短でも2020年8月末から9月上旬にも打ち上げられる可能性があります。

クルードラゴン_3

ご存知の方も多いように現在アメリカおよび欧州や日本の宇宙飛行士はすべてロシアのソユーズ宇宙船で有人打ち上げが実施されています。原因は事故が相次いだスペースシャトルが2011年に引退したことです。当時、後継機としてNASAが運用を目指すオリオン宇宙船の開発が進んでいたものの結局シャトルの引退には間に合いませんでした。その後もアメリカの宇宙開発計画が二転三転し開発が大幅に遅れ未だに完成していません。

一方でNASAは地球低軌道の有人打ち上げは民間企業に委託するとし選定されたのがスペースXとボーイングです。スペースXはクルードラゴン、ボーイングはスターライナーという宇宙船をそれぞれ開発しており、ベンチャー企業として目まぐるしい技術力を示したスペースXが先に打ち上げを行うことになりました。

スペースXは現在世界最大の打ち上げ能力のあるファルコン・ヘビーロケットを運用している以外も世界で唯一ロケットの第一段ロケットの回収を行う企業で、過去にも民間企業とし世界初の大気圏再突入に成功させている他、ドラゴン補給船で国際宇宙ステーションに物資輸送を行うなど、技術力と経験は極めて高く、今後のアメリカの宇宙開発に深く携わってくことはほぼ間違いない企業となっています。

ちなみに費用については明らかになっていないのですが、民間打ち上げに対してNASAは2014年にスペースXに対して26億ドル(2800億円)、ボーイングに42億ドル(4500億円)の契約で宇宙船の開発を始めています。これだけでもJAXAの年間予算(1800億円程度)の数年分となっているのですが、その後スペースXは6基のクルードラゴン打ち上げに31億ドル以上を受け取っているとされています。
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