新型コロナウイルス_1

先日、アメリカのニューヨーク州知事から発表された抗体検査のデータに関して、被験者の14%が既に新型コロナウイルスに感染していたことを示す結果となりました。今回はアメリカの他の地域で行われた同様の検査やドイツの結果、また日本で行われたPCR検査の結果から見ていこうと思います。

現地時間23日ニューヨーク州のクオモ知事は記者会見で市民に対しランダムで抽出された約3000人に対して過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるのか調査する『抗体検査』を実施した結果、13.9%の人から陽性反応が出たと発表しました。

これは検査が行われた時点で感染していることを調べるPCR検査とは異なり、過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるのかを調べるものであり、ウイルスに感染直後は陽性反応が出にくいとされているのですが、何れにしても過去に新型コロナウイルスに感染したことがありコロナウイルスに耐性があるのか調査する上で非常に有効な調査方法として注目されています。

その結果、ニューヨーク州全体では約3000人のうち13.9%、特にニューヨーク市では約20%の人から陽性反応が出たとしています。この数値はPCR検査で明らかになっている感染者の実に10倍という非常に多い数値となっているのですが、数値はどの程度正確なものなのか疑問が寄せられています。


元記事は不明なのですが朝日新聞によるとアメリカで行われた入院患者に対してPCR検査を実施した結果、約13%から陽性反応が出たという調査があるとしており、自覚症状の有無に問わず検査を行えば13~14%が感染しているという数値については一致しているものがあります。
ちなみに日本では慶応大学が行った調査として新たな入院患者に対してPCR検査を行った結果、約6%の人から無症状の新型コロナウイルスに感染していた人が見つかったことが明らかになっています。



アメリカでは他の地域でも抗体検査を行った結果を発表しており、スタンフォード大などの研究チームは4月3~4日、カリフォルニア州サンタクララ郡の住民約3300人に対して抗体検査を実施した結果、2.5%~4.2%から陽性判定でていたことが明らかになっています。(参考)
同州ではこれまで956人の感染が明らかになっているものの、この調査結果から実際の感染者数は50倍から85倍多い4万8000~8万1000人という感染者になると推定されています。

またロサンゼルス郡で行った同様の検査では成人の約4%(2.8%~5.6%)が既に抗体を持っていたことが明らかになっており、公表されているPCR検査による感染者数よりも28~55倍も多い22万1000人~44万2000人という数になります。

またドイツにおける同様の抗体検査では被験者のうち15%が陽性率になっているとされています。

何れにしても流行している地域では数%程度、医療崩壊が発生しているような地域では10~20%近い感染者がでていると考えることもできます。何れにしてもPCR検査では見つかっていない感染者や元感染者が既に街中にいることは明らかです。感染がどのように広まっているのか、抗体検査を早急に実施しPCR検査では調査不可能な膨大なデータを集め分析することで今後の経済活動の再開する時期などの判断を行う必要があります。