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先日、アメリカ各地の刑務所では既に爆発的な集団感染が発生しているものの、90%以上が自身が感染していることに全く気づいていない無症状の感染者ということが分かりました。仮に正しいのであれば新型コロナは過度に恐れる心配はないとも言えるのですが、今回は日本のクルーズ船と刑務所の数値を比較していこうと思います。

ロイター通信によると、アメリカ国内の刑務所(矯正施設を含む)における新型コロナウイルスの感染状況を調べるため大規模な調査を実施されました。オハイオ州にある矯正施設では1施設2,500人のうち2,300人を検査しました。その結果、
  • 2,300人のうち2,028人(88%)が感染
  • 感染者2,028人のうち1,926人程度(95%)が無症状
この検査については抗体検査を実施したのか、それともPCR検査を実施したのかは記載されておらず不明です。また症状有無についてはどのような聞き取りを行ったのか等も不明です。

非常に高い感染者と無症状感染者数となっているのですが、比較として日本に停泊したクルーズ船ではどうなったのでしょうか。ダイヤモンド・プリンセス号では
  • 3,711人のうち712人(19.2%)が感染
  • 712人のうち331人(46.4%)が無症状(381人(53.5%)が有症状)
  • 感染者712人のうち33人が重症(4.6%)
  • 感染者712人のうち13人が死亡(1.8%)
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オハイオ州にある矯正施設もダイヤモンドプリンセス号も高齢者が多く占めており、差はあまりないと考えられます。

感染者と無症状者の率も双方で大きく異なっているのですが、聞き取りの時点で無症状だったものの、後に症状が出てきた人もある程度いると考えられます。しがたって、いつ聞き取りを行ったかで変わる数値であり、当てにならない可能性が考えられます。
また致死率については実社会では若者も多く感染するため、ダイヤモンド・プリンセス号では1.8%となっているものの大幅に低くなると考えられます。

合わせて紹介するとアメリカの他の州における刑務所でも同様の傾向がみられ、アーカンソー、ノースカロライナ、オハイオ、バージニア州の4つの刑務所で受刑者に対して新型コロナウイルスの検査行ったところ、囚人4,693人のうち新型コロナウイルスの感染者は3,277人、約70%となりました。また感染者のうち96%が無症状だったとしています。


韓国の病院でもPCR検査が実施されるまで院内感染が発生していたことに気が付かなかったとしており、医療従事者でもそのような状態であるため無症状の感染者が街中に既に多くいるというのはほぼ間違いないと考えられます。何れにしても新型コロナウイルスに感染した場合、全員が症状を示すわけではなく大半は無症状のまま治ることが多いのは事実と考えられます。

ただし、注目されている抗体検査についてもどの抗体について陽性となっているのか、例えば他のコロナウイルスの抗体でも陽性と示される場合もあると指摘もあるとされ、新型コロナウイルスの感染率とその傾向を突き止めるのは難しいと考えられます。