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中国メディアによると現地時間5日、内モンゴル自治区から新型の有人宇宙船を載せた長征-5号Bの打ち上げに成功したと発表しました。搭載された次世代有人宇宙船は月からの帰還を想定した一連の試験が実施されるとしています。

NASASpaceFlight.comによると、今月5日午前10時に中国が開発した次世代有人宇宙船の試作機を搭載した長征-5B(CZ-5B)を打ち上げ成功したと発表しました。当初、打ち上げは中国初の人工衛星を打ち上げた記念日となる4月24日を予定していたものの、ロケット側のトラブルで今月5日に延期となっていたとのこと。

Maiden launch of Long March 5B lofts Next Generation Crew Space Capsule - NASASpaceFlight.com

記事によると、次世代宇宙船の飛行プログラムは5月6日午前5時~6時に終了するとしており、予定通り進められたとすると当記事掲載時には既に着陸し終了しています。正しくは5月8日に着陸予定とのこです。

今回の打ち上げについては長征5Bを用いた天宮宇宙ステーションのコアモジュールの打ち上げのためのフェアリング(人工衛星を包む先端の構造物)のテストも含まれていたとしており、実際の打ち上げでは次世代宇宙船に緊急脱出システムなどを搭載しているためこのような打ち上げ方法にはならないと説明しています。

▼円錐形の新型宇宙船
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今回の打ち上げでは有人宇宙船は20.5mのフェアリング内に収められました。打ち上げ後に切り離され『月』から帰還する速度での大気圏再突入の制御や断熱、回収技術など一連の主要な試験が実施されます。着陸はパラシュートとエアバッグが用いられ、アメリカでいうことろのボーイングのスターライナー宇宙船と同じような陸上への着陸方法がとられます。

この宇宙船のスペックとしては、地球低軌道つまり中国が開発運用を目指す天宮宇宙ステーションへの人員輸送をはじめとした低起動ミッションでは6人乗り、月ミッションなどでは3人乗りと500kgの貨物を搭載することができます。サイズは直径5m、サービスモジュールを含む全長は8.8m、重量は21.6トンです。宇宙船は最大で10回ほど再利用することができると説明されています。