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赤く乾燥した大地が広がる火星。一方で液体の水の痕跡や氷の存在は既に確認されていたのですが、アメリカのとある科学者によると、火星では季節によって地表に液体の水溜まりができる可能性があると発表しています。

火星にはかつて膨大な量の水があったと考えられているものの現在その水は地表から失われてます。一方で、その水は地下、または一部は露出する形で氷として大量に眠っていると言われています。

アリゾナ州ツーソンの惑星科学研究所の上級科学者によると、コンピュータシミュレーション結果として、火星では春になるとわずか数時間でマイナス128度からマイナス10度に上昇するとし、火星の氷は消えるものの全てが昇華するわけではなく、その一部が高塩分の水として地表に水溜まりを作る可能性があるとしています。

Water on Mars? Boulder shadows may spawn short-lived pools of brine. | Space

火星の表面、および浅い地下には水の氷が豊富にあることが分かっているものの、この氷が液体として存在するには好条件に恵まれる必要があります。火星は地球の大気圧の1%程度で地表の温度が上昇しても氷は昇華するか直接蒸気に変わります。論文によると、一方で高塩分の水溜まりが火星の1年のうちわずか数日間作られる可能性があるとし毎年繰り返し発生していると指摘しています。

研究者によると、高塩分の液体が存在できるのは火星の赤道から高緯度地域の最大で40%のエリアです。このような気候で生命が存在している可能性については否定的で「水活動と温度が陸上の生命が生き延びる許容範囲を超えているため」と指摘しています。また、高塩分の水では地球の生命体を生き続けることはできないため将来の火星ミッションでは地球由来の微生物で火星が汚染してしまうことをあまり心配することはないとも主張しています。



火星の水の存在については未だに直接確認はされていないものの、氷の存在はほぼ間違いないとされており、将来の有人ミッションを支える重要な資源になると考えられます。