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新型コロナウイルスに関して現在中国の武漢市にある海鮮市場で発生したといわれていますが、決定的な証拠のようなものは見つかっていません。一方で米大学は衛星写真と検索数などから武漢市では昨年秋ごろには流行していた可能性を伺う結果が得られたと報じられています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の存在は2019年12月31日に中国からWHOに正式に通知され、2020年1月23日には中国・武漢市がウイルスの感染拡大を防ぐためにロックダウンされました。このためCOVID-19は2020年に入ってから猛威を奮ったと考えられていましたが、実は2019年12月にすでにフランスで広まっていた可能性が指摘されています。そして新たに、研究者は武漢市の衛星写真とインターネットの検索結果を分析した結果、2019年秋にはすでにウイルスが広まっていた可能性を指摘しました。

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今回の研究はハーバード大学及びボストン大学の共同研究で、衛星写真及びインターネットの検索数から新型コロナウイルスがいつ発生したのか調査するという間接的なものです。具体的にどのようなことがわかったのか紹介するとこのようになります。

▼武漢天友病院における車両数の比較
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  • 衛星写真から武漢市6つの病院では2019年11月前から駐車する車の数が急増
  • 武漢天友病院では2019年10月17日、前年比で67%増の駐車数
  • 武漢市の他の病院でも2019年秋と前年日で90%増
  • 武漢同済医科大学では2019年9月半ばから急激な駐車数増加を確認
  • 中国の検索サイトで「咳」「下痢」の検索数が2019年12月に急増
  • 「咳」「下痢」の検索数増加に伴い病院の駐車車両が増えていた
以上が記載されている内容です。

新型コロナウイルスに関しては『武漢株』と武漢株から変異した『欧州株』が確認されており欧米やロシアで爆発的な集団感染が発生したのはより感染力が強い欧州株で現在日本国内で流行しているものと同一といわれています。


今回の研究内容が正しいとして、仮に2019年9月~10月頃時点で既に流行が始まっていたとすれば、中国人観光客が大量に押し寄せていた日本を含め世界ではそのような兆候がみられなかったのかという疑問があります。従って、発生源が武漢市の海鮮市場であるということも断定できず武漢発祥説も疑いがでてきます。


疑問なのはなぜ武漢をクローズアップし調査が進められたのかです。この手の論文でよくある『結論ありきの研究』に過ぎないと感じるのですが、正しく調査するには例えば病院の患者のカルテをかき集め下痢や咳、肺炎などの現在明らかになっている新型コロナウイルスの症例を過去と調査する必要があります。
当然それはアメリカ国内でも行えることであり、特に昨年10月1日~2020年2月1日までの間にアメリカ国内で1万2000人~3万人が死亡したというインフルエンザの事例について実は新型コロナウイルスが含まれていなかったのかを改めて調査する必要があります。