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私達人類のような高度な知性を持つ知的生命体が他にも存在しているのか。現在、そのようなものは科学的に証明されていなのですが、海外の天文学者らはその有無を探査する方法としてソーラーパネルと大気汚染を調べればいいなどと主張していると報じられています。

ハーバード&スミソニアン大学及びロチェスター大学の研究者は他の惑星における知的生命体の痕跡を探す方法として大規模太陽光発電によるソーラーパネルの光の反射を分析することと、クロロフルオロカーボン(CFC)という非自然環境下で作られる大気汚染物質を観測することで認識することが可能だと主張しています。

Does intelligent life exist on other planets? Technosignatures may hold new clues : NewsCenter

何か宇宙が好きな中高生の論文にありそうな内容なのですが、実はこの内容はNASAに認められ研究資金が渡されたとしているものです。

記事によると、なぜソーラーパネルなのかという点について、まず宇宙には地球のように1日に1回転するような天体だけではなく、潮汐ロックという半面を常に恒星に向けている天体があることが分かっています。潮汐ロックを簡単に紹介すると『月』と同じようなもので、常に地球にほぼ同じ面を向けているという状態を指ものです。

▼昼と夜のサイクルが存在しない潮汐ロックがかかった天体のイメージ。片方が永遠に昼で、反対側に夜になる
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潮汐ロックがかかっている天体に存在する知的生命体の痕跡をソーラーパネルで見つけ出すという考えたかについては、常に同じ面を恒星側に向けていることはその反対側は永遠に夜であり、この夜のエリアに電気を送電するため恒星に照らされている面に大規模なソーラーパネルが設置されているはずだ、というものです。
ソーラーパネルは一部の光を反射させるためその不自然な光のスペクトルを検出することができれば知的生命体の痕跡も確認できるというものです。

▼海外大規模太陽光発電所
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そしてクロロフルオロカーボン(CFC)という自然界では生成されない物質を検出することができれば知的生命体がその惑星に存在している可能性が高いとしています。ちなみにこの手の大気汚染を調べることで知的生命体を探しだす案は二酸化炭素など過去にも複数発表されており珍しものではありません。


記事にも記載されているように太陽エネルギーは宇宙で最も強力なエネルギー発生装置の一つで太陽エネルギーを使うのは他の文明でも自然なことなのですが、それはあくまで人間の技術水準に合わせたものであり、私達人類がソーラーパネルを本格的に使い出したのは20世紀後半ということを考える必要があります。
更に人類よりも高度な文明であれば核融合など効率の良い発電方法に切り替えているはずであり、膨大な面積が必要なソーラーパネルにいつまでも頼っているとも言い切れません。従ってソーラーパネルの反射光を見つけ出すというのはその文明の数世紀前後という極めて短い期間だけを調べているだけに過ぎないという致命的な欠点が可能性があります。

記事では合わせて大気汚染であるクロロフルオロカーボンも調査するべきだとしているのですが、精度の問題もあり現在の人間側の技術力で検出可能なものなのかは不明です。