ドリーム・チェイサー

アメリカの民間企業シエラ・ネバダ・コーポレーションは自社が開発している無人貨物船ドリーム・チェイサーに関して、耐熱タイルを受け取り車両への接着を開始したと発表しました。ドリーム・チェイサーの初打ち上げは来年2021年を予定しています。

シエラ・ネヴァダ・コーポレーション (以下シエラ・ネバダ)に接着が始まったのはサーマルプロテクションシステム(TPS)というスペースシャトルの表面を覆っていたタイルと似た素材のもので、生産しているのはコロラド州ルイビルの工場だとしています。

Dream Chaser receives thermal protection system, on track for 2021 debut - NASASpaceFlight.com

TPSという特殊タイルはドリーム・チェイサーのほぼ全体を覆っており、太陽熱と宇宙から地球に帰還する際に発生する大気が原因の高熱から本体を保護するため取り付けられてます。このタイルは接し1650度という高温と再投入時の強烈な圧力にも耐える素材で作られています。接着はroom temperature vulcanizing silicone(RTV)という接着剤で固定されるとのこと。

同じタイルはスペースシャトルにも搭載されているのですがドリーム・チェイサー用は仕様変更が加えられています。記事によると、スペースシャトルには24,000枚のTPSタイルが取り付けられたもののドリーム・チェイサーは機体はシャトルの1/4と小さいためタイル数は1/10未満の2,000枚になるといいます。



またタイルの大きさはシャトル用のものは約6*6インチだったものの約10*10インチに大型化。これにより使用するタイル枚数も削減しているとしています。そしてドリーム・チェイサーに搭載されるタイルはシャトル計画の30年間135回の飛行で培った技術が惜しみな使われているといい、新しい技術を取り込んだTPSはシャトルに搭載されていたものより軽量で強くさらに安価だといいます。

ちなみにシャトルの耐熱パネルは主に研究者や教育機関向けに30ドル程度で販売されてます。

LI-900


シエラ・ネバダのドリーム・チェイサーは当初有人宇宙船として開発していたもののNASAとの契約獲得に失敗。その後行き場を失っていたものの国際宇宙ステーションへの物資輸送線として採用されることが決定しました。
ドリーム・チェイサーは滑走路に対して着陸するため海上や陸上に着陸するカプセル型より加わる衝撃が少ないといい宇宙で研究された貴重なサンプルを傷めず持ち帰ることができると説明されてます。貨物型ドリーム・チェイサーの打ち上げ時の最大積載量は5.5トンです。3.4トン分はカーゴモジュールに収められ、帰還時にゴミなどを詰め込み大気圏で処分することもできます。地上に持ち帰ることができるサンプルは1.85トンです。

シエラ・ネバダは有人飛行計画は諦めておらず、今後何らかの機会で実施を目指しています。
このエントリーをはてなブックマークに追加