新型コロナウイルス_1

新型コロナウイルスについてその発生源は中国とされているのですが、具体的にいつどこで感染が広まったのかは明らかになっていません。これに関して、スペインの大学は過去に採取した流行前の排水サンプルから新型コロナウイルスが検出されたと発表しているそうです。

スペインのバルセロナ大学は26日に公告を発表し、同大が率いる研究チームが昨年3月に採取したバルセロナ地域の廃水サンプルから新型コロナウイルスが検出されたことを明らかにした。

Record China
記事によると、この研究はバルセロナ大学の腸のウイルスを研究しているという生物学者アルベルト・ ボッシュ教授率いる研究チームが発見したというものです。教授によると、2018年と2019年の廃水サンプルをPCR検査し2019年3月12日のサンプルからのみ検出されたとしています。ただしウイルス量は微量だったとしています。

その上で、「今回の研究結果から世界の他の地域でも似たような状況が起きたが、多くの症例がインフルエンザと誤って診断され隠れてしまった可能性がある」と指摘しています。つまり過去、新型コロナウイルスがすでに流行しており風邪やインフルエンザと見過ごされていた可能性があるというものです。


この研究が事実だとすと中国発生説がひっくり返るような出来事になるのですが、どのように評価されているのでしょうか。スペイン公衆衛生・衛生管理学会の関係者は研究結果が一つしかなく偽陽性の可能性やミスなども考えられると指摘しています。ただし、「大いに示唆に富むものであることは否定しない」とのこと。
ニューヨーク・タイムズによると、2019年3月12日のサンプルはすべて使い切ってしまっているといい再調査はできないという内容が記載されています。


この研究は他の研究者により再現されていないのですが、仮に新型コロナウイルスが2019年3月時点で広まっていた場合どうなるのか。
当時日本ではマスクをしている人はほとんどおらず、外国人観光客らも自由に出入りしていしました。クラスターの発生元であるライブハウス、カラオケ、キャバクラ、病院や介護施設なども通常営業しており日本国内でも明らかに異常な数の肺炎患者らが発生していたはずです。

そして決定的なのは抗体検査です。過去に新型コロナウイルスに感染したのかを示す抗体検査は日本は欧米のように高くなく1%にも満たないという状況がわかっています。このことからも2019年3月時点で既に世界で流行していたと主張することは難しいと考えられます。
新型コロナウイルスがいつどのように発生し広まったのかは各国に残された排水以外も輸血サンプルや尿検査のサンプルから検出などを総合的に調査することが求められます。