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中国で制作され実際に放送されているのは抗日ドラマです。主に日中戦争を描いた内容になっているものの、素手で日本兵を倒したりカンフーや謎のワイヤーアクションが投入されるなど話題になっていたのですが、ここに来て抗日ドラマの放送の放送が禁止されたなどと報じられています。

中国では各メディアが23日ごろから次々に、抗日戦争の歴史を歪曲したり過度に娯楽化したテレビドラマの放送が禁止されたと紹介する記事を発表した。中国ではこれまでにも、史実をねじ曲げたドラマが横行しているとの批判があった。

Record China
記事によると、いわゆる抗日ドラマとされる番組関して放送が禁止されたと主張しているのはとある中国メディアらしくその根拠は中国国務院の直属機構で中国全土のテレビ・ラジオ・新聞・出版社を管轄する国家新聞出版広電総局が17日に出した通知だといいます。

ただその通知については中国で行われる勝利記念日である9月3日に合わせ放送する番組を『思想上の内容や政治的意義』『貧困の撲滅』といった習近平政権が取り組む題材を放送するよう求めていたといいます。またこの通知についてはこれ以外にも複数あり「常識や社会通念に反する、歴史を勝手に解釈したドラマ化、抗戦を過度に娯楽化したテレビドラマ(つまり抗日ドラマ)」の放送を禁じる内容も含まれていたとのこと。

したがって、今後は素手で日本兵を切り裂き殺害するというような意味不明な抗日ドラマは放送されなくなると主張しています。


▼抗日ドラマのワンシーン


ただ、荒唐無稽な抗日ドラマについては最近問題視されたものではなく、少なくとも7年ほど前の2013年時点で同じく国家新聞出版広電総局が主要テレビ局に対しゴールデンタイムに放送する抗日ドラマについて事実に基づかないワイヤーアクションやカンフーを使用した抗日ドラマの規制を設けたとしています。しかしそれでも同じような番組が現在も放送されているということは事実上厳しい規制はしていないと考えられます。

一方で、抗日ドラマについては映像を見る限り反日というわけではなく、日本でいうところ爽快なBGMを流しながら将軍様が最前列に出て悪者をぶった切るような時代劇のような表現にも例えられ、ある種の映像文化になりつつあるものと考えられます。また上記の映像でもあるように中国人も日本兵に殺されている表現があるほか、グーで殴るのでなはくパーで叩くなど私達が一般的に想像するような抗日ドラマ像とは齟齬があります。

中国で放送されている抗日ドラマについては2012年の1年間に映画化もしくはドラマ化された作品は200作品となっており、以降中国当局が問題視し始めたなどの理由で徐々に衰退しています。