Kuaizhou 1A_2

中国が今月13日に打ち上げた快舟ロケットに関して、原因は明らかになっていないものの打ち上げが失敗したと報じられています。

NASASpaceFlight.comによると、九泉衛星発射センターから打ち上げられた快舟ロケット(快舟1号甲遥11、Kuaizhou-1A、KZ-1A)に関して、中国国営メディアは打ち上げから数時間後、打ち上げが失敗したと宣言したと発表したと報じています。

Kuaizhou-1A fails during Jilin-1 launch - NASASpaceFlight.com

記事によると具体的な打ち上げ失敗の詳細は明らかにされておらず「打ち上げが失敗した」とのみ発表されているとのことです。このロケットには長光衛星技術有限公司が開発した『吉林1号』というリモートセンシング衛星が搭載されていました。天然資源の調査や生体環境モニタリング、防災・減災の分野で使用される予定になっていたとのこと。予定では高度535kmに投入され解像度は0.75メートとしています。


Kuaizhou 1A

快舟ロケットは開発は中国航天科技集団が開発したなどとしているものの、ベースとなっているのはDF-21という核弾頭を搭載可能な準中距離弾道ミサイルです。DF-21は車輌から発射される弾道ミサイルになるのですが、快舟ロケットも世界的にも非常にまれな車輌から発射されるロケットです。

快舟ロケットは固体燃料を燃焼する3段ロケットで、人工衛星投入用として4段目に液体エンジンが搭載されています。全長は20m、重量は30トン、直径は1.4mでフェアリングは1.2mと1.4mの2種類が用意されています。

初期モデルの快舟1号、Kuaizhou 1(KZ-1)は2013年9月以降2機のみ打ち上げられ発展型の快舟1号甲Kuaizhou 1A(KZ-1A)が2017年1月以降運用されています。
毎年1機程度の打ち上げが行われていたものの2019年以降は1年間に5機発射しており、今年は1月と5月、そして今回の9月の3回となっています。また快舟11号 Kuaizhou 11(KZ-11)という打ち上げ能力を5倍、地球低軌道に1.5トンのあるロケットが今年7月に打ち上げられたものの失敗しています。つまり快舟シリーズとしては7月の快舟11号に続き、9月の快舟1号甲でも連続して失敗したということになります。