アナシス2号

先日、朝鮮日報など一部の韓国メディアが今年7月に打ち上げた軍事用の通信衛星「アナシス2号」について人工衛星を制御する端末を用意できず使用出来ないなどと報じました。しかし、国防部傘下の防衛事業庁長官はこの報道は誤りがあるなどと否定していると報じています。

Newdailyによると、今月19日韓国の防衛事業庁が野党「国民の力」所属の国会議員に提出した資料として、当該国会議員によると今年7月にアメリカから通信衛星「アナシス2号」を打ち上げたものの、この人工衛星を制御する端末機の事業が進んでおらず、来年度の予算にも反映されていないなどとし、「テレビがあってもリモコンがない状態だ」と指摘しました。

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防衛事業庁長は報じられた一連の内容について、国会議員に提出した資料と解釈に誤解があったと釈明しています。庁長によると「アナシス2号の端末が無く使用することができないわけではなく、アナシス1号用の制御端末と2号の制御端末には互換性がある」とし、提出した資料に書かれた専門用語により誤解が生じたと説明しました。現在地球軌道を周回している「アナシス2号」を使用することができるシステムについては既に導入を目指した試験が行われており衛星そのものの制御自体は全く問題と説明しています。

アナシス2号_1

今回の事態について防衛事業庁スポークスマン室及び国軍指揮通信司令部によると、今回用いた「衛星制御端末」を分かりやすく表現すると携帯電話のようなものだと説明しています。この端末は各部隊で使用することも兵器に装着することもできるとし、「アナシス2号」というのは一種の通信システムであり、軍で既に導入されている「アナシス1号」を4G LTE通信だとすれば「アナシス2号」は5G通信のようなもので、今回問題になった「衛星制御端末」は4G LTEの周波数も使うことができる5G携帯電話のようなものだと説明しています。

したがって、従来の端末を使用してもアナシス2号とは通信することはできる主張しています。またアナシス2号用の通信端末については2021年の予算に反映した後年末からから運用を予定しているとのことです。