西南交通大学式中国版リニア_3

中国メディアによると、今月13日成都市にある西南交通大学で研究されているという高温超電導(HTS)磁気浮上技術を採用したプロトタイプ車両を公開したと報じています。しかし、この車両。プロトタイプとしているものの現時点ではモックアップレベルのものと考えられます。

高温超電導(HTS)磁気浮上技術を採用したプロトタイプ車両が13日午前、四川省成都市の西南交通大学九里校区で発表された。中国のニュースサイトの澎湃新聞によると、設計最高速度は時速620キロで、新技術をテストするための全長165メートルの実験線も同日、ラインオフした。

Record China


こちらが西南交通大学が開発を続けていると考えられる中国版リニアです。公開されているのは先頭車両のみでコンクリートの上に敷かれた超電導コイルのようなものの上で車両を動かすというパフォーマンスも行われたそうです。ただ自走しているのではなく、車両の下に付けられた別の動力により動かされています。

記事ではこの車両はモックアップではなく、プロトタイプと記載されています。これは中国側の記事にもプロトタイプと紹介されているのですが、残念ながらこれはプロトタイプ(車両における試作車を指す言葉とすれば)ではなくモックアップ(模型)であると考えられます。

西南交通大学式中国版リニア_1

西南交通大学式中国版リニア_2

こちらが車両後部を映した写真。中国鉄道車両公社(CRRCというロゴが付けられているだけで何もありません。そして車両が置かれているのも模型レベルの構造であることは間違いなく、これがプロトタイプと言える要素は皆無と考えられます。

そして映像では車両内部の様子が公開されているのですが、内部空間は非常に広く1列と2列の座席構成で、日本のリニアに比べると圧倒的に広い空間が確保されています。



ちなみに中国では同じく中国鉄道車両公社(CRRC)が開発中の中国版リニアがあり、2020年6月時点で客車の移動を行なうなど研究が進められています。こちらも試験路線の建造も進んでいます。