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チョコレートやココアの原料となるカカオ豆。様々なお菓子に採用されている切っても切れないほど重要な原料になるのですが、実は昨年11月末に高値をつけて以来、わずか2ヶ月あまりで17%も取引価格が下落していると報じられています。

2020年11月24日、実に19年ぶりに1トンあたり3054ドルの高値を付けたカカオ豆について2021年1月22日の取引では約17%も下げた2529ドルを付けて取引が終了しました。クリスマスをはさみわずか2ヶ月あまりでこれほどの下落となったのか。実は2大生産国のコートジボワールとガーナが取引価格をあげようとカルテルを作ったことがそもそもの原因だとしています。

世界のカカオ市場、つまりココアの市場も最近数ヶ月の混乱を経験している状況で、原因はさきほども紹介したように世界のココアの40%以上を生産しているコートジボアールと約20%を生産しているガーナは価格を調整(カルテル)影響に原因があります。両国はすでに生産したココアに対して更に、1トンあたり当たり約120ドルほどの品質プレミアム付けるとしていました。

また、カカオ農家の生活を保証するという目的で新たに1トンあたり400ドルをプラスし、さらにこれ以上にカカオ価格を値上げさせるという計画まで発表していたとのこと。しかし、不当ともいえる価格にグローバルチョコレート大手企業が他の販路を通じてココアを確保するため立ち上がり、欧米の大手チョコレート企業は仲買人を経由せずアメリカとイギリスの市場から直接ココアの購入を実施したことをうけて価格が下がってきたとのこと。結果、仲買人が現地で購入するココアの買付量を大幅に減らす結果にもなったとしています。

またこれ以外にも昨年はカカオが豊作で収穫量も大幅に伸びていたとのこと。一方で、新型コロナウイルスでデパートやレストランで消費されるチョコレートの量が減り、消費量は平均以下となっていたとのこと。

現在生産国で収穫されたカカオは農家が大量の在庫を抱えているといい、在庫量が増えれば増えるほど重要な生産国の世界市場価格交渉力は低下する見通しを示しています。

参考