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皆さんは歩く速度は速いほうですがそれとも遅いほうでしょうか。実はこれに関して、歩く速度が遅ければ遅いほど新型コロナウイルスに感染した場合死亡率が跳ね上がるという研究結果を発表しました。

英国のレスター総合病院の研究者らは、これまで新型コロナウイルスに感染した40万人以上の中高年の患者のデータを調べ、症状が重症化したり死亡するリスクが高まったりするいくつかの危険因子を特定しました。「The International Journal of Obesity」に掲載されたこの研究では、歩行速度が死亡率の有意な予測因子であるらしいこともわかったと報じられています。

Your Walking Speed Might Predict Whether COVID Kills You

このデータでは40万人のアンケートとして自己申告という形で「歩く速度」についても回答していました。それによると「自分が歩く速度が遅い」と回答した人は「そうでもない」と回答した人よりも新型コロナに感染した場合の重篤化は88%、死亡率は83%も高かったことがわかりました。

研究者は「歩くのが遅い人は体重に関係なく、新型コロナによる重症化のリスクが非常に高いことを示した初めての研究です」と述べています。

今回の研究では「歩くのが遅い」と回答した人たちは「平均的」「速い」などと回答した人たちよりも重症度が高く、死亡率も高い理由は必ずしも因果関係を示したものではありません。しかし、この研究では主に高齢者の患者を対象としていることから、歩行速度は体力や心血管の健康状態を表すものだと考えられます。

また、患者自身が自分の歩行速度を説明していることも注目すべき点だといいます。ある患者が「遅い」と思っても、別の患者にとっては「ちょっと遅い」かもしれません。そのため、そもそもデータがどの程度標準化されているのか疑問があるとのこと。

研究者は「新型コロナの潜在的なリスク予測因子として、BMIに加えて自己申告による歩行速度などの簡単な体力測定を取り入れることを検討すべきだと私は考えています」と述べています。
要は歩行速度が遅い人は重篤化しやすい潜在的なリスクがあるため、仮に感染時に症状を見せいていなくても重篤化すると見越し、入院を優先するという措置を進めることで命を救うことにも繋がると考えられます。