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アメリカの軍事系ニュースサイトによると米国防総省は2社に対して、運搬可能な原子炉の試作にすることに関して、契約をそれぞれ結んだと報じています。

今回契約を交わしたのはBWXT Advanced TechnologiesX-energyです。2社はアメリカで進むプロジェクトPeleと呼ばれる第4世代の運搬可能な原子炉を製造することを目指しており、今後、2022年初頭の最終設計レビューと国家環境政策法に従って環境分析が完了した後、この小型原子炉のプロトタイプを作り実証するためどちらか1社が選ばれる可能性があります。

アメリカ軍では年間30テラワットアワーの電力と、1日あたり1,000万ガロン以上の燃料を必要としており、今後この需要は更に増していくことが予想されています。安全で小型で輸送可能な核反応は、米軍の増大するエネルギー需要を満たすために使用されると同時に戦地環境での任務を支援することになります。

具体的に求められている性能については原子炉のプロトタイプとして、少なくとも3年間フルパワーで稼働させることができ、この間の発電量は1~5メガワット。運搬できるサイズに収め、現地到着後3日いないに発電を始めることができ、7日間で安全に停止することができる能力が求められています。

また、この装置は例えば災害などで電力網が破壊されたような環境下でも運用できるようなものになっているとのこと。





この輸送可能な原子炉については数年前に発表されていたものがあり、2023年頃には軍隊で運用されるだろうなどという話しがありました。いずれにしても戦場という電力確保が難しい局地で近年はドローンや電子端末が普及していることもあり電力需要は更にましていくことは容易に考えられ、米軍においては従来の化石燃料を用いたものでは運用は難しいと考えているようです。