B-21_1

アメリカ空軍が将来運用を目指す最新鋭のステルス爆撃機 B-21 レイダーと呼ばれる機体に関して、一部メディアによると既にほぼ完成状態にあるものの、初飛行を急ぐようなことはしないという内容が一部メディアが報じています。

ポピュラーメカニクスという海外の科学系ニュースサイトによると、アメリカのノースロップ・グラマンが現在製造している2機のB-21 試作機に関して、これらは機械的には既に完成しているものの、初飛行は2022年まで行うことはしないという内容を報じています。

B-21 Construction Nearly Complete | B-21 Raider Bomber Production

米議会がB-21プログラムの加速化を望んでいるものの、米空軍側はプログラムのスピードアップは行っていないといいます。その理由については、開発や飛行を急ぐとそのしわ寄せが随所で発生してくるためだと指摘しています。

実はその前例がF-35シリーズだといい、米空軍はF-35戦闘機を早く空軍で運用するため、特に初期の生産機に対してはソフトウェアとハードウェアを未熟な状態で納入しあとからアップデートするという考えをしていました。

しかし、これが行われたことで世界中の何百機ものF-35が異なるハードウェアとソフトウェアの規格で製造されるという『悪夢を生み出した』と表現しており、その結果、軍は戦闘機を最終的な仕様に引き上げるために、何十億ドルもの追加資金が必要となったとのこと。
空軍としてはB-21の1日でも早い初飛行を望んではいるものの、F-35のような失敗を繰り返さないよう注意しているとのことです。


B-21については2019年12月時点で試作機の製造を開始していると報じられており、既に1年半以上の時間が経過しています。


現在アメリカ空軍では158機の爆撃機を運用しています。内訳としてはB-1ランサーが62機、B-2が20機、B-52Hが76機です。B-21はB-1およびB-2の後継機となり、将来的に置き換えが行われることになります。

一方でアメリカ側は現在の158機という爆撃機数を225機保有したいとしており、追加で149機のB-21が必要になります。これは当初米軍側が最大6億6500万ドルで約100機分を導入するという予算よりも50%ほど多い予算が必要になるとのことです。