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世界最大の軍隊を保有するアメリカ軍。そのアメリカ軍で過去10年間に1900丁もの銃器が盗まれていたものの、米軍側は盗まれた数自体を正確に把握していないことが明らかになりました。

アメリカ軍で運用されている様々な銃器。その数は約450万丁ともされているのですが、AP通信は最近、2010年から2019年の間にアメリカ軍の武器庫あら少なくとも1,900丁のライフル、ピストル、グレネードランチャー、ロケットランチャー(対戦車ロケット)などの銃器が行方不明になったものの、軍が説明できていないと報じました。

The U.S. Military Doesn't Even Track How Many Weapons It Loses, And It Has Lost Thousands
Gen. Mark Milley doesn't know exact number of missing military weapons

記事によると、行方不明の銃器は1900丁のうち陸軍が最も多く約1500丁。海軍からは200丁、その他は約40丁でその他には沿岸警備隊や国防総省の警備隊のものが含まれるとしています。ちなみに空軍については手続きがとられていないとしてデータ提供しておらず数には入っていません。

AP通信によると、陸軍報道官は今回の報道に対して、「現在の陸軍の在庫管理システムでは行方不明になったり盗まれたりした武器の数を容易には把握することはできない」と説明しています。米陸軍によるとこの10年間に行方不明になった銃器は230丁としているものの、AP通信が入手した資料では約1300丁としており、そのほとんどが盗まれたものだと指摘しています。


陸軍報道官は陸軍側が発表している数値とAP通信側の数値に大きな差があることについてはコメントは避けました。そのうえで、武器の説明責任を非常に重視しているといい、この問題を解決するための方法を検討するために会合を既に開き。取り組みが進展するにつれ、より多くの情報を提供できるだろうと説明しています。

ただ、アメリカ軍では毎月武器庫の棚卸しを行っており、武器の数などについては説明することが法律、規則そして政策によって求められているとしており、特に武器庫の管理者は毎日、武器の目視検査を行うことが求められているそうです。
そこで武器が紛失していたり不明な点があれば、部隊の指揮系統だけでなく、陸軍犯罪捜査司令部による本格的な調査が行われます。そして、少しでも過失があると判断された場合は、その指揮権を剥奪されるか、処罰されることになるといいます。

また一部メディアによると、今回AP通信が発表したデータというのはあくまでこれまでに判明している数に過ぎないしており、例えば小火器であれば戦場や戦闘地域でも多く失われているもので、そのような数も含めると今回の提供された報告書データというのは氷山の一角に過ぎない可能性があると指摘しています。