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刺し身などに入っており食中毒を引き起こすアニサキス。現在、アニサキスを殺す薬などがなく手術で取り除く以外方法が無いのですが、実は日本で当たり前のように売っている正露丸の成分によりアニサキスが死ぬことが確認さたと報じられています。

アニサキス幼虫は、サバやカツオなどの刺身に隠れている1〜3cmくらいの線虫で、この線虫が原因のアニサキス食中毒は、年々増加傾向にある。アニサキスは胃や腸の粘膜に、頭部を突き刺して暴れ回り、消化管の粘膜に潜り込もうとする。まれに、消化管の壁を突き破って腹腔に入り込むという最悪のケースも報告されている。

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多くのご家庭にひっそりと置かれ、必要な時に服用期限が切れているという正露丸。実はこの正露丸の成分が刺し身の天敵となるアニサキスを殺す画期的な薬だったことが明らかになりました。

これは高知大学理工学部の研究グループが行った研究で、正露丸の成分である『木クレオソート』がなんとアニサキスのアセチルコリンエステラーゼという酵素を阻害し、結果的にアニサキスを殺していることがわかったとのこと。



研究では正露丸を溶かした試験管内部に30分浸したアニサキスを、胃液と同じ濃度の消化酵素(ペプシン)に浸した場合に、24時間以内に分解が始まったとしています。この研究では確かにアニサキスが正露丸により殺さていることが確認されました。

現在アニサキスを飲み薬で殺虫するような薬は存在していないといい、高知大学理工学部によると、「アニサキスの幼虫に対して強い殺線虫活性を持っている薬の最初の報告だ」と説明しています。

アニサキスと正露丸の研究については実は2011年にもあったのですが、これが本当なのか、専門家からは否定的な意見も目立っていたといいます。しかし、今回研究を行った結果、間違いなく正露丸でアニサキスが死んでいたことが分かったとしています。

ただ、これを一般の私達が服用しても良いのかは疑問なのですが、仮に生魚を食べおかなの調子が悪いようであれば、とりあえず正露丸を規定量服用することで様子を見て、収まらないのであれば早めに病院に行くという対応がよいのかもしれません。