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普段当たり前のように口にする水。これにも複数の厳しい検査項目や基準がありそれをクリアしたものが供給されています。特に日本では水道水が飲める数少ない国ですが、海外では必ずしもそうではありません。そんな水について汚染の有無を検査キットではなく生体とスマホを使うという案があると報じられています。

シンガポール工科大学の研究者は湖や川など未処理の水が汚染されているいないか、例えば重金属や抗生物質が含まれているかいないかをわずか数分間で分析する装置を開発しました。

水質検査というと、サンプルを採取し然るべき研究機関で分析するという非常に手間がかかります。しかし今回の案はその場で検査が終了できるというものです。記事によると、この分析に用いるのは世界中どこにでもいるゾウリムシです。



このゾウリムシが水質により行動が変わることを発見し、最初に全く汚染されていない状態ので泳ぎ方を研究。そのから泳ぐ速度を導きだし、次に重金属や抗生物質など人体に有害な成分が含まれた水での泳ぐ速度を研究しました。ちなみにこのような汚染物質が含まれていると泳ぎ方が劇的に低下するといいます。

測定方法は簡単です。研究者はスマホのカメラに取り付けられた顕微鏡を利用してゾウリムシの泳ぎ方を追跡。綺麗な水と比べ泳ぎ方がどのくらい弱まっているのか測定することで水質汚染を判別します。

問題はこのゾウリムシでいったいどれだけ正確に測定できるのかです。研究によると、人が安全に飲むことができる基準の半分以下の濃度の重金属でもゾウリムシの移動速度が50%も低下してしまうということでほぼ正確に測定することができるとしています。

研究者は「水のサンプルを採取してゾウリムシの速度測定は特別な機器や化学薬品を必要とせず、水の飲用性を評価するための簡単な方法として使用できます。通常、水質汚染は汚染物質ごとに異なるテストが必要になりますが、ゾウリムシはそれを測定してくれます」と話しています。

参考