ヌリロケット

韓国メディアによると、国産ロケットとして開発したロケット、ヌリ初号機について10月21日に打ち上げ予定が設定されたと報じられています。このロケットは国内の技術を多く使用したもので、事実上の国産ロケットとなっています。

朝鮮日報によると、韓国航空宇宙研究院の発表として開発時のKSLV-IIと呼ばれていたヌリロケットに関して、2021年10月21日に打ち上げを実施すると発表しました。このロケットは地球低軌道、つまり国際宇宙ステーションが周回しているような高度に1.5トンの打ち上げ能力があるロケットで、事実上韓国初の国産ロケットということになります。

ヌリロケットは2010年以降に開発が始まっていたロケットで、2018年9月に『누리(ヌリ)』韓国語では古い表現での『世界』という名前が付けられました。

性能としては第一段目に液体酸素とケロシンを燃焼する75トン級エンジンを4基搭載。2段目に1基搭載。3段には小型の7トン級エンジンを1基備えています。3段のエンジンともすべて液体燃料を燃焼します。固体ロケットブースターは採用していません。

▼韓国の歴代ロケット、右側がヌリ
ヌリロケット_1

▼75トン級エンジン
75トン級エンジン

韓国では2018年頃より2021年に打ち上げを実施すると発表しており、特に欧米では延期が当たり前の宇宙分野では珍しく予定通りに計画が実行されることになりました。

韓国の宇宙開発

ヌリロケットは国産ロケットとしているものの、エンジンに関しては元の技術はウクライナにあります。これは韓国当局が何らかの手段でウクライナつまりソ連の技術力がある国からエンジンの設計図を入手し(推力にして30トン級液体燃料エンジンとされる)、それを拡張したものがヌリの75トン級エンジンになります。

韓国は最も難しいこの技術の入手については国内技術でゼロから行うという気は無かったのか、ロシアや日本にも中国・インド・欧州・アメリカに接触したものの結果的に拒否されました。また過去にはロシアのRD-180というエンジンを国内に輸入しようとしていたことが明らかになり、この人物は逮捕されています。

韓国については朝鮮戦争以降、ロケットの開発が規制されたこともあり自由な開発ができなかったとされ高い技術水準があるにも関わらず他国に比べて大幅に遅れています。そのため、海外に打ち上げを頼ることになり、高度化する現在、国防面それどころか宇宙に関する様々な技術面で大きな弱点になっていました。